Femme  Fatale

 致命的な女

 ファム・ファタール  



 2002年・アメリカ・フランス映画。




 脚本・監督
 「ブライアン・デ・パルマ」

 音楽
 「坂本龍一」

 撮影
 「ティエリー・アルボガスト」





















 出演
 「レベッカ・ローミン」
 (ローレ・アッシュ)
 (リリー・ワッツ)

 「アントニオ・バンデラス」
 (ニコラス・バルド)

 「ピーター・コヨーテ」
 (ブルース・ワッツ大使)

 「リー・ラスムッセン」
 (ヴェロニカ)
 
 「エリック・エブアニー」
 (ブラック・タイ)

 「エドアルド・モントート」
 (ラシーン)

 「ティエリー・フレモン」
 (セラ・警部)




 プロフェッショナルの泥棒、ローレ・アッシュは、カンヌ国際映画祭でフランスのレジス・ワルニエ監督(本人)と同行するモデルのヴェロニカの着けているゴールドのアンサンブルのうえにあるダイヤモンドを盗む計画だ。

 ローレは、ダイヤモンドを盗むためにヴェロニカを誘惑して、ダイヤモンドを盗み、そのすきにブラック・タイとラシーンたちとコンビネーションでダイヤモンドを手にする予定だったが作戦が失敗し、ローレは、一人でダイヤモンドをもってパリに逃げた。


 パリでも事件のことで騒ぎになっていた。
 ローレは、パリで最近失踪したリリーという女性に間違えられ、彼女は身を隠すチャンスだと思いリリーになりすますために彼女の家にいく。
 ローレは、リリーの家でバス(浴槽)につかっているとリリー本人が帰ってきて自殺をはかる。
 ローレは、黙って見ている。
 リリーは絶命すると、ローレは、彼女の身分を自分のものとし、完全に入れ代わり、リリーとして生きて行くことにし、アメリカに行くためにフランスを出ていった。



 7年後。
 ローレは、リリー・ワッツとして、駐仏アメリカ大使のブルース・ワッツ夫人となりパリに戻って来た。
 リリー・ワッツは、スペイン人のパパラッチのニコラス・バルドに写真を撮られそれがパリ周辺に展示されている。

 一方、ブラック・タイも強盗で服役し、偶然にも7年後の今、刑務所から出てきた。
 彼は、復讐のためにローレを探している。
 するとローレと前に一緒にいた女性を見つける。ヴェロニカだ。
 ブラック・タイは、ヴェロニカを捕まえて走っているトラックに彼女を投げ込んで殺す。
 彼は、偶然にローレの写真を見つける。



 ローレは、ブラック・タイたち、強盗仲間を欺くために自分を誘拐する犯人に彼らを仕立て上げようと考えた。狂言誘拐である。
 しかし、実際に誘拐を偽装するために共犯者が必要でその役をパパラッチのニコラスに頼み仲間に引き入れた。
 そして、誘拐を計画通りに実行する。
 誘拐後、ローレとニコラスは肉体関係をもった。

 ローレは、最後の仕上げで夫のブルースから身代金をとる段取りをしている。
 ニコラスがブルースに会うが、ニコラスは、悪になりきれずこの計画を中止しようとした。
 ローレは、激怒し、夫のブルースとニコラスの二人を処刑する。

 しかし、ローレは、ブラック・タイたちに捕まって橋から落とされた。
 川に落ちたローレは意識がとおのき死の直前である。



 死んだはずのローレは、バス(浴槽)の中にいる。これは、全て彼女の夢であった。いや、全てではない彼女がダイヤモンドを盗んでリリーの家のこの浴槽に入ったところまでは現実だ。
 ローレは、この後、リリーの自殺を止めた。



 7年後。
 ローレとヴェロニカは、前からパートナーでこの計画でダイヤモンドを盗んだことがわかる。
 ブラック・タイとラシーンは、ローレを殺すために来ているが、あの夢の中に出てきたヴェロニカをひいたトラックに彼らは巻き込まれて事故死してしまう。
 この事故をすべて目撃していたパパラッチのニコラス・バルドは、ローレと会い、彼はローレに前にどこかで君と会ったことがあると言う。
 ローレは「私の夢の中だけ」と答えるのだった。・・・


 
 ※ハッキリ言って真ん中のストーリー全部を夢の話にするのはいただけません。
 でも、僕はこの作品がブライアン・デ・パルマ監督らしい最後の映画だと思います。
 アルフレッド・ヒッチコックの後継者として、妖艶なサスペンス映画や、アクション映画、そしてホラー映画をヒッチコック・スタイルで描いてきたデ・パルマ監督もオリジナリティーや、自身の監督としての評価を高めようとした結果、彼らしさは失われて行きました。
 他者の評価は難しいもので、エロティックなサスペンスやホラー映画のデ・パルマ監督が好きだと思うファンは多く、真面目な大作で評価されようとする作品には多くのファンが失望する。
 本当に難しいですね。