No  Way  Out

 解決の手段がない
 八方塞がり(意味合い)

 追いつめられて(邦題) 



 1987年・アメリカ映画。




 監督
 「ロジャー・ドナルドソン」

 製作・脚本
 「ロバート・ガーランド」

 音楽
 「モーリス・ジャール」

 撮影
 「ジョン・オルコット」
 (スタンリー・キューブリック監督作品の撮影を担当する)
 ※僕の記事で、七人の撮影監督解説。を参考にしてください。

 原作
 「Kenneth  Fearing」
 「ケネス・フェアリング」
 『The Big Clock』
 『大時計』1946年・出版

 『The  Big Clock』1948・アメリカ映画
 『大時計』
  監督「ジョン・ファーロー」
  出演「レイ・ミランド」
    「チャールズ・ロートン」
 映画化されます。





















 出演
 「ケビン・コスナー」
 (トム・ファレル中尉)

 「ジーン・ハックマン」
 (デヴィッド・ブライス国防長官)

 「ショーン・ヤング」
 (スーザン・アトウィル)

 「ウィル・パットン」
 (スコット・プリチャード、ブライスの顧問)

 「ジョージ・ズンザ」
 (サム・ヘッセルマン博士)

 「ハワード・バフ」
 (ビリー・デュバル上院議員)

 「レオン・ラッサム」
 (ケビン・オブライエン)

 「ジェイソン・バーナード」
 (ドノバン少佐 CID)

 「フレッド・ダルトン・トンプソン」
 (CIA長官・マーシャル)




 『US Navy,Lieutenant.Tom Farrell』ユーエス・ネイビー、ルテネント、トム・ファレル、アメリカ海軍中尉のトム・ファレルは、アメリカから、赴任地のマニラに戻る航路で、甲板の見張り番のクルーを高波から救出した。
 このことが新聞に載って、その救出劇を読んだ、
 『Secretary of Defense,David Bryce』セキュレタリー・オブ・ディフェンス、デヴィッド・ブライス。
 デヴィッド・ブライス国防長官は、トム・ファレル中尉を『The Pentagon』『ペンタゴン』
自身の宣伝目的もかねて国防総省に転属させた。


 就任式のパーティーで、トム・ファレルはスーザン・アトウィルと出会い直ぐに大人の関係になった。

 トム・ファレル中尉の裏のミッションは、他省庁の政府機関の秘密情報を得るための仕事を任される。


 トムは、ペンタゴンのコンピューターセンターで働いているプログラマーでアナリストの古い友人、サム・ヘッセルマン博士と同じミッションをしているかもしれないと感じる。
 サムは、トムにスーザン・アトウィルはデヴィッド・ブライス国防長官の愛人であることを伝える。


 事情を知ったトムだが、おかまえなしにスーザンと週末を過ごす。


 スーザンが家に戻ると突然、デヴィッドがやってきて彼女に浮気をしているのではないかと言い争いになった。
 スーザンが、彼に「家から出ていって」と言うとデヴィッドは激高して彼女ともみ合いになって、弾みでスーザンは、2階から下に落っこちてしまう。
 スーザンは、死んでしまった。
 
 スーザンに関しての情報で彼女の別の恋人がソ連のスパイではないかとの情報が入り、その人物が、KGB、ソ連国家安全保障委員会のスーパーエージェント(スパイ)だとするとスーザンの死は、国家安全保障の問題となる。
 そのスパイのコードネームは「ユーリ」であると判明した。 
 「ユーリ」は、プリチャードの部下たちによって抹殺されるだろう。と考えるデヴィッド国防長官。

 デヴィッドは、プリチャードにすべてを話した。
 
 
 プリチャードは、スーザンの家で撮ったトムの写真ネガを発見する。
 そのネガの画像が悪くてトムと立正するまでには至っていない。
 プリチャードは、画像解析をして人物を特定しようとしている。


 「Major Donovan」「メジャー・ドノバン」ドノバン少佐は、
 『United States Army Criminal Investigation Command』ユナイテッド・ステイツ・アーミィ・クリミナル・インベスティゲーション・コマンド。アメリカ陸軍、刑事捜査司令部(陸軍  CID)に勤務している。
 ドノバン少佐は、スーザンのアパートの捜索をしている。

 トムは、スーザンの死に動揺していたが少し落ち着くと彼は、デヴィッドがスーザンを殺してプリチャードが証拠隠滅工作をしていると確信する。
 しかし、トムは状況証拠を洗い出すと、第一容疑者は自分になると思う。しかも、殺人だけではなくソ連のエージェントの「ユーリ」は自分にされてしまうのではないかと危惧する。


 トムは、サム・ヘッセルマンにデヴィッドとスーザンが浮気していたことを彼に打ち明けて、証拠の写真解析を遅らせるように頼む。
 一方、CIDは「ユーリ」がペンタゴンの中に存在すると確定捜査をしている。

 トムは、デヴィッドがスーザンを殺したことをサム・ヘッセルマンに言った。
 サムは、トムが嘘を言っていると思い、プリチャードに話してしまう。

 
 サム・ヘッセルマンは、プリチャードに暗殺される。

 デヴィッドは、トムが自分とスーザンを結びつける証拠のプレゼントの裏付けをしていることを知って自分の保身のために別のシナリオを実行する。
 デヴィッドの筋立ては、プリチャードが同性愛者で、デヴィッドとスーザンの関係を知って嫉妬しスーザンを殺したというシナリオをつくった。
 その裏切りを知ったプリチャードは、精神に異常をきたし自殺してしまう。
 捜査官たちは、ソ連のエージェント「ユーリ」は、プリチャードであると特定し、スーザン殺害と「ユーリ」の正体はスコット・プリチャード顧問であると報告された。
 

 トムは、デヴィッド国防長官と敵対するCIA長官にプリントアウトした写真を送る。
 自分とスーザンの関係が表にでるので彼は、ペンタゴンを去る決意をした。


 トムは、スーザンの墓に座りこんでいる。
 すると二人のエージェントがトムのところにくる。
 彼らは、トム・ファレル中尉が「ユーリ」であり、彼がKGBの『Mole』(ホクロ)であることを知っている。
 ホクロとは『Sleeper agent』スリーパー・エージェントと言われる、現地国のスパイで、イデオロギーから自国を裏切り、トムの場合は共産主義者であり、短い期間で秘密情報を得る役割ではなく。相手方の仕事をして自立しているスパイで、ハンドラーと呼ばれるKGBのエージェントから連絡が入った段階で自分のもっている情報をわたす、という凄く長期的なミッションであり、言葉通り、スリープしている場合が多い。
 なので、トム・ファレルはなんの偽りもないアメリカ海軍の中尉である。

 彼らは全て理解していた。

 トム自身が、「ユーリ」であった。
 
 トムは、スーザンから情報を得ようとしていたのかもしれないが、これだけは真実である。トムがスーザンを愛してしまったこと。この事実は『No  Way Out』八方塞がりだった・・・



 ※原作の小説は、殺人事件を描いていますが、設定は普通の人々で、本作は、ペンタゴンの中の事件に置き換えました。
 ペンタゴンのシステムはなかなか難しいですが、英語で解説してシステムをできるだけわかりやすいようにと考えましたがより、複雑になったようです。
 
 この作品は、そんな状況を知らなくても楽しめる作品です。サスペンスとして見ている人たちを騙すドンデン返しの良くできた映画です。

 超一流のスタッフが集まって、しかもタイトルの『No  Way Out』は、この映画が語源だと言われる新語です。
 八方塞がりのことを『ノー・ウェイ・アウト』といいます。