Black  Swan

 ブラック・スワン  


 2010年・アメリカ映画。








 「Darren  Aronofsky」

 「ダーレン・アロノフスキー」

 1969.2.12 アメリカ、ニューヨーク・ブルックリン出身。ロシア系、ユダヤ人。

 脚本家・映画監督。






 「Andress  Heinz」

 「アンドレス・ハインツ」

 脚本家。

 UCLAとNYUの映画学科を卒業。





 「Mark  Heyman」

 「マーク・ハイマン」

 199.11.26 アメリカ、ネバダ州・ラスベガス出身。

 脚本家・映画プロデューサー。

 ダーレン・アロノフスキーの映画製作会社の一員。
 ダーレン・アロノフスキー監督の右腕。







 「Clint  Mansell」

 「クリント・マンセル」

 1963.1.7 イギリス・コヴェントリー出身。

 音楽家・作曲家

 ダーレン・アロノフスキー監督作品以外での代表作。
 『Stoker』(ストーカー)原題。
 『イノセント・ガーデン』2013年

 『Ghost IN THE SHELL』2017年
 (ゴースト・イン・ザ・シェル)
 ※僕の記事でスカーレット・ヨハンソン主演作品『ゴースト・イン・ザ・シェル』があるのでチェックしてください。

 ※ダーレン・アロノフスキー監督とよく似ていますが、写真に間違いはありません。よく仕事をする同志(友人関係に近い)が姿形が似てくるとは本当ですね。







 「Matthew  Libatique」

 「マシュー・リバーティーク」

 1968.7.19 フィリピン系アメリカ人。

 撮影監督。

 ダーレン・アロノフスキー監督以外での代表作。
 『Iron Man1.2』2008年
 『アイアンマン1.2』2010年

 『Venom』
 『ヴェノム』2018年

 『The prom』
 『ザ・プロム』2020年

 マシュー・リバーティーク、カメラマンはアクションから、ホラー、芸術作品、文芸作品までジャンルは問わず様々な作品を撮りますがどれも素晴らしい出来です。(作品の内容とは別の撮影のデキ)






 『スーパー16mm・フィルム・カメラ』

 スーパー16ミリのフィルム・カメラは、どういったモノか説明しますと、まず、かなり古いカメラです。現在はデジタルムービー・カメラで映画も撮影しているのでフィルムを使うことはありません。若い方は知らないとおもいますが、昔はスチィール・カメラもフィルム撮影でした。
 映画がフィルム撮影の時代は35mmフィルムを使っていました。その上が70mmフィルムを使う場合がありますが、これはフィルム代だけで膨大なお金がかかるので、超大作のみに使われました。例えば、「デビット・リーン」監督の『アラビアのロレンス』などです。
 では、16mm、フィルム・カメラはどういった使用目的となると、テレビ映画の撮影がほとんどです。これは、アメリカのテレビ映画だけでなく、日本のテレビ映画、日本でいうと2時間ドラマといわれる1話完結のスペシャルドラマのことです。『火曜サスペンス』などは昔は16mmフィルムで撮影していました。
 16mmフィルムは安く、カメラも小型なため扱いやすいです。16mmフィルムで撮影されたもつとも有名な作品は「ジャン・リュック・ゴダール」の『勝手にしやがれ』です。予算の問題と街にでて手持ちカメラで撮影するには小型軽量の16mmフィルムカメラがてきしていました。
 ではなぜ、予算のあるアメリカ映画が16mmフィルムで撮影したかというと、16mmで撮影した映画を普通の映画館で映写すると、粒子が粗い鮮明ではない映像になってしまいます。今でいうと4K解像度のテレビ画面と2K解像度のテレビ画面の違いのようなモノです。それをワザと狙って粒子を粗くしたザラザラの映像にすることです。
 日本映画でもこの手法を使った有名な作品があります。「内田吐夢」監督の『飢餓海峡』です。この作品も大作映画ですが、内田吐夢監督がワザと16mmフィルムで撮影して35mmフィルムにブローアップしました。ブローアップとは、16mmフィルム・ネガを35mmフィルム・ネガに焼き付けることです。4K解像度のテレビに昔のドラマを観るととても映像が粗く感じるのと同じ原理です。
 この手法をダーレン・アロノフスキー監督は取り入れました。1番の効果は、粗い映像はドキュメンタリー的な要素を演出できることです。

 細かい解説ですが16mmスーパーというのは、16mmフィルムスタンダードでは、昔のブラウン管テレビの真四角に近い画角で、16mmスーパーとはビスタビジョンサイズで今のHi-Vision放映と同じ画角に近いです。この16mmフィルムスーパーになるとネガの使う部分がより小さくなるので、より画像が粗くなります。


 ブラック・スワンの地下鉄のシークエンスは、同じ効果を得るために、より小型な一般の人が使うキャノンの高級機スチィール・カメラでムービーを撮りました。



 Canon EOS 1D Mark Ⅳ





 Canon EOS 7D
 この2種類のカメラを使用しました。

 これも、一般のカメラのほうがデジタル、ムービー・カメラより粗い映像が撮れて、16mmフィルムと画像をあわせました。








 「Yumiko  Takeshima」

 「竹島由美子」

 1970.8.5 北海道旭川市、出身。

 バレエダンサー
 ダンス・コスチュームデザイナー。

 ※ナタリー・ポートマンのバレエコスチュームは竹島由美子さんがデザインしました。こんなところまで日本人のデザイナーが活躍するのですから凄いことです。


 脚本家でもあるダーレン・アロノフスキーが僕の好きな作品『レスラー』『ブラック・スワン』に関しては脚本を書いていません。僕の見解ですが、一般的に自分のやりたい企画ほど、自分だけでなく他の人の意見や力をかりることはとても才能のある監督にしかできません。
 よりよい作品にするために才能のある人たちの力をかりることは映画ならではで、逆にこの2作品が世界的に評価されたのも監督のチョイスが良かったからだと思います。

 原案・脚本のアンドレス・ハインツの初稿のシナリオのタイトルは『Under study』『アンダー・スタディ』というタイトルでした。
 この初稿をマーク・ハイマンを中心とした脚本家陣で徹底的になおして書き上げました。
 そして『ブラック・スワン』のスクリプトが完成しました。
 このように、映画づくりは多大な時間をかけて少しづつ進んでいきます。


 Part 2では作品の解説をするのでチェックしてください。