第2回目 「デジタルカメラでコマドリ」 講評

最高に心地よいGW真っ只中の授業です。こんな良い天気の日でも暗い教室のモニターを見ているのは、ちょっともったいない気持ちですが、第2回目の授業です。
先週制作した、もしくはさらに発展させたコマドリ作品の講評です。
(注)毎週のように出される課題作品では、時間的制約などで不本意な作品もあると思います。そのため学生の名は、学年とイニシャル表記のみで書いていきます。
それでは早速。講評。(順不同)
3年MEさんの作品。
本人曰く、楽しめて制作出来たそうです。
楽しい作品です。伝えたいポイントも明確で、テンポよく仕上がっています。
ただ、カメラがガクガクしすぎです。多少の揺れは味になりますが、ここまでの揺れは見ていて少々辛いモノが、、ここから発展してTVなどの家電を絡ませたりしていくと拡がるかも。マイクロソフトが作る未来のコンピューティング世界CMに似ていて興味深かった。
3年SMaさんの作品
「改めて見ると、長過ぎたような気もする」と本人もいっていたように、階段の表情に変化が乏しかった。レンガ、鉄板、コンクリートなどはっきりと判る素材のバリエーションが欲しかった。勿体なかったのは、前半で出てきた水たまりに浮かぶ桜の花びら。これをもっと料理すれば豊かな表現が出来たかも知れない。しかし、ひたすら、下を向き撮影していく姿勢には好感が持てる。
3年YEさん
「好きなように撮影しました」のコメントの如く、とても好きなようにやってらっしゃいます。心地よいまでに、前半の映像と後半に出てくるマスクをつけた変態さんに全く繋がりがない。今回はそれで良いんですが、最後の蛇状に移動するマスクさんをもっと学校中移動させて追っていくとかなり楽しい作品になったのではないだろうか。と期待します。最後のマスクさんは、画面からフレームアウトした方が見ている側は気持ちよく納得出来るはずです。
3年YSさん
フレームレートやら何やらいじっていくウチに、訳がわからなくなったので、近日中に差し替え希望の作品です。授業中の編集時には、上にあるモノ、吊られている電灯と、地面の排水溝を交互に見せて行くウチに発生する錯覚のようなものを見せたかったそうです。寄り引きのカメラの動きが邪魔かも知れない。シンプルに見せられると面白いモノになりそうです。
4年OHさん。ぬいぐるみのアニメーションを作って見たかったそうですが、この手のものを作る場合は、簡単な起承転結を作って上げると表現しやすい。キノコはマリオのパワーアップキノコなので、大きくなる、無敵になる、1UPなどの仕掛けが出来れば、それだけで1つ世界が出来たのに、少々残念。
3年KAさん。たんぽぽを踏みつぶすという単純な行為だけで、靴にキャラクターを持たせたのは良いと思う。公共の福祉的にはどうかと思うが、、、、砂場の足跡は面白いアイデアだが、靴が消してしまったのが残念。靴を脱ぐなどの動作を作り、透明人間という存在をもっと見せてあげると世界観が色濃く出せたはず。
3年SMiさんの作品。女の子が移動していくのはきっちり撮影していて面白かったが、外に出る扉を開けてもっと早く移動する彼女を見てみたかった。映像では、観客が思っている展開をきっちり見せて、欲求を満たすことはとても大切だと思う。これからと言うところで展開をぶっつり切られると、期待していた分落胆は大きい。出来れば良い意味での期待を裏切る楽しい展開を出せると最高。
最後に、撮影している部屋が汚すぎ。演出された汚さと、考えていない汚さは違うと言うことを認識して欲しい。
余談だが、結構最近こういう撮影する際に周りのことに、無神経な作品が多くて不思議だ。
少し前に話題になった「オオカミとブタ」という作品もアイデアは面白いのだが、撮影している部屋が生活感ありすぎで、雑巾やゴミ箱にした段ボールが気になって気になって、作品に没頭できない。あの乱雑さは絶対演出ではない。そこら辺の意識不足がとても気になっているので、書かせてもらいました。
続いて
4年IJくんの作品。壁や天井を視線を変えて動き回る映像を作りたかったとのこと。もっとやりきってほしかった。がんがん動くカメラや気持ちの良い疾走感が見えると良かった。途中から出てくる数字が意味不明で、なくした方がよかったのでは?しかし、普段見慣れない視点を設定するという考え方はよい。
3年MIさん。自転車という少々大きめのモチーフは面白い。最後の2ショットも何故か良い雰囲気が出ているのが、正直笑った。夕日か山、河原が見えたら文句なしだった。(それはやり過ぎかも知れない、、)ただ、赤い自転車が上手(画面右側)にフレームアウトしているのに、突然、下手(画面左側)の上側に現れるのは見ている人に不親切だった。カット割りでうまく繋げるべき。
4年のSSくんの作品。3つです。どうしても3つ出したいというので受けましたが、出来れば1つにするか、1本にまとめて欲しかった。出題時に1つとは行っていなかったので、うけましたが。。。
確かにどれが1番良いかは決められない。1本目は、ひたすら回転していくねちっこさは良いと思う。しかし、後半、芝生や紫陽花を周回するのは、頂けない。2本目は、ツツジが咲くところをもっとバリエーションで見せて欲しかった。ちょっと面白いねという感じ終わってしまうのが残念。3本目は被写体深度に着眼したピン送りのアニメーションなのだろうか?これもピン送りをコマドリ的な変化のさせ方で、ねちねち撮影して欲しかった。アイデアや着眼点は個人的にかなり好き。彼にはもっといっちゃって欲しいと思いました。
3年MSさん。彼女は初回の授業に出てこれなかったので、制作全般に手間取ったそうです。映画研のチラシが全く伝わりません。この手の内輪にしか通じない情報は、非常に危険です。部外者には全くわからないものを提示されても、理解、共感はできません。見せる相手を想定して作ると言うことをこれから3ヶ月考えていきましょう。
4年IRくん。よく考えられて制作されています。にんじんをネジのように回すところは、良い意味での期待を裏切る表現。ここに、ドライバーや工具、もしくは他の野菜を持ってきた展開を加えてみるのも面白いと思う。ただ、最後のフレームで中途半端ににんじんが残っているのは残念。最後はきっちりフレームアウトか、気持ちの良いところで止めコマ。中途半端な場所で終わるのが一番イタイ。
先週、授業内での作業では、たばこがハコから飛び出して地面を走って行くモノを繋いでいたので、それに比べると少々ダイナミックさに欠けてしまった感がある。たばこのセロハンが取れていくシーンや、たばこのハコが消えていくところなど、コマドリへの愛はとても感じた。
というわけで、13名の講評でした。
予想以上に面白いモノに出会えた気分です。
さらに参考までに、個人的に気に入っているコマドリアニメーションを上映しました。
下記が上映リストとそのURLです。
言わずと知れたPESの作品。
Human Skateboard
Western Spaghetti
これは、ベルギーの天然ガスのCM、こういうほっこり感がはやってる気がします。
続いてそのメーキングムービー
ポール ブッシュのピクシレーション "Dr Jekyll and Mr Hyde"
オフィシャルではなさそうなので、気は引けます。
このブルブル感は個人的にすごく趣味です。
SONYのブラビアのCM。うさぎを飼っている身としては、うさぎちゃんにやられてしまいます。
Sony Bravia CF 2007
Sony Bravia そのメーキング
これらもリンクにしときます。
今日の授業は、さらに後半に続きます。
第1回目 「デジタルカメラでコマドリ」
今回のお題は、「デジタルカメラでコマドリ」
デジタルカメラを用意する、性能は問わないが、携帯電話でない方が色々都合がよい。
自分が動くか、被写体を少しずつ動かしては、撮影していく。
50~60枚も撮れば、1枚ずつ再生することで、とりあえずアニメーションは出来てしまう。
しかし、ここは美術大学なので、この単純な事をどう突き詰めていけば、面白くなるかを考えてもらいたい。
そのための参考映像を上映。まずは、手前味噌なものから
●歩いてコマドリ
昨年の授業のために私が制作した手抜き。歩きながら撮影していくとこうなるという、ものすごい簡単見本。
●アニメーションではい!チーズ!2010
これまた、私が今年主催したワークショップの記録映像。人間の体を使ったコマドリの参考
(ワークショップの概要はこちらから)
ここからは、web上の素敵な映像作品の紹介
● "Cover creation"
directed by Peter Belanger 4min
マックワールドの表紙ができるまでをコマドリした作品。みんな同じようにデザインを作っているんだなぁと変に納得。
● "Le tour du monde en 80 secondes"
directed by Romain Pergeaux & Alex profit 2min
80秒間世界一周。トランジションが面白い。
● "Hulkamania"
directed by Keith Loutit 3min
アニメーションと言ってよいのか判りませんが、Time-Lapseという技法の世界観。なによりハルクホーガンですから。40代にはジーンときます。
とまぁ、含蓄があるんだか、ないのだかわかりませんが、軽く刺激を与えたのち、各人撮影のために散りました。
毎年、この授業は雨の日が多いのですが、今日は信じられないような晴天に恵まれ、この後不吉なことに見舞われないことを祈っております。
この撮影のコツは、ちゃんとした作品にするには、100~200枚程度連続して根気よく撮影すること。最初は画素数を小さめで撮ることが、後々の作業でラクチンです。しかし、きっちりきれいな作品として残したい人は、高解像度で撮るべきです。しかし、作業効率はシビアになっていきます。
この授業では、時間の制約、マシンの制約から、提出ムービーの大きさを640x480pixelのmp4圧縮という、ちっこいサイズにしています。
さて、撮影してきた素材をQT化していきます。
不要な箇所、失敗したものを削除します。そうすると、きれいな連番ファイルになっていません。ファイル番号が飛び飛びになってしまいます。一気にファイル名を変えるために、あの役立たずのAdobeBridgeが今回ばかりは、赤鼻のトナカイ並みに役に立つのです。Adobe Bridgeでデータフォルダに移動し、全部を選択して、
ツール>「ファイル名をバッチで変更」。
きれいな連番になりました。
これを、AfterEffectsに読み込んで、フレームレートを色々変えることで、見え方の違いを感じてもらう。最後に好みのフレームレートに設定し、QuickTimeとしてレンダリングすれば、できあがり。
今回は、あくまでも最初の取っ掛かりとして、とにかく動きをつくりアニメーションというものを実感もらう。また、フレームレートという概念を何となく感じてもらう。とにかく、楽しんで制作できたらよいかと思います。
生徒達の作品提出は、来週土曜日。そのままでも、手直ししても、全く別の作品を作り直しても可。
提出後、上映、講評です。もちろん、ブログにも載せる予定です。
では。
はじめまして、モーションイメージ 授業ブログ
私、ダイノサトウは、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科で、
「モーションイメージ」という授業を毎年4月~7月まで、毎週土曜日に行っています。
授業では、AdobeのAfterEffects というソフトをメインに、なんかアニメーションを作っていく授業です。
とはいえ、ほとんどの生徒は、アニメーションどころか、映像の知識もなく、AfterEffectsって何?という状態なので、かなり駆け足で教えていきます。
でも、7月には結構みんな面白いものが出来てくるので、教えている方も、とても面白いんです。
このブログは、一昨日突然の思いつきで、始めました。
授業全てを公開するのは、難しいとしても、概要や参考映像、できたら作品もアップしていったら、どんな感じになるのか?というたったそれだけの動機で始めました。
さて、いよいよ明日から授業開始。
3年、4年、合わせて13名です。
