緑の地図 | 湘南の建築家のひとりごと

緑の地図

はじめての場所へと向かうとき、地図を使う。

その場所への目的手段として「道順」がある。
当たり前だが手段なので、「2つ目の交差点を左折して、50メートルくらい進んだ角にある
白い看板の店を右折して、、、」など現実的なサインで結んでいき目的地までの「道順」を
構成していく。

車など絶対的な速度の流れがある場合は的確で安全だと思う。

ただ、人がコントロールできる速度ならば他の手段もありかなと思う。
各ポイントを結ぶサインを置き換えてみるのだ。

その一つが「緑」つまり樹木や草花などがおもしろいかなと思う。

「5本並んでいるイチョウの2本目あたりを左折するとサツキの植え込みが50メートルくらい並んでいて、そこを歩いていくと白い看板にもたれかかるようなオリーブの樹の実の色付きが濃い方に目を向けた先にあります。」
随分とながい説明で、本当に付くのやら、どのくらいかかるのやら、と手間だらけだ。

時間を争う、はやりの「ビジネスパーソン」の方々にはまったくもって使えないだろう。
たわいのない、道順の説明すら結論を重要視するあまり「何両目の何番目の扉から乗って、、、」など
ともすれば、考える事をさせないとても親切なサービスだ?
まあ、なぜそこまで多忙な発想をしてしまうかを冷静に考えてみれば?と思うのだが。

だいぶ、話が道草をしてしまった。


手間のかかる道順でも、目線が変わることで各ポイントを探すための緊張感や(なにしろ自然物)
見つけた時の喜び、そして目線が変わることでの道中の様子の再発見ができるのではと思う。

「緑」は自然物なので四季によって変化する。
春先の鮮やかな緑色や花の色が見えたり、落葉した枝だけの時はその「緑」で隠れていたその先に
風景が開けたりする。
また、枝や葉の向きが並んで一方向に向いていれば「ああ、ここは風の抜け道だったのか!」など
自然物であるが故のまちなみの様子を知らせてくれることもあると思う。

あるいは、進む途中でリズム良く多くの緑が見ることができれば
その街の行政による、まちづくりへの意識の度合いを感じられる。

意識と視点を変えて移動するということは、必ずや何らかの気づきが生まれると思う。
そして、間接的かもしれないが物事へのプロセスの発想も多くなると思う。

都会だからこそ、「緑」が際立ちその大切さも気づけるはずだ。




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