和室 | 湘南の建築家のひとりごと

和室

和室。
この呼び名をあらためて考えてみると「なんだっけな?」と思う。
つまり、「リビング」や「子供部屋」「浴室」などなど使用目的がはっきりしている場合
その部屋の位置や大きさなどは、ある条件にそってカタチがはっきりしてくる。
そこで和室。
もともと、住宅の歴史をさかのぼれば特に部屋名がはっきりとはしていなかった筈だ。
平たく言えば、昔は全てが畳敷の空間で、それを帖数で言い表して、用途に合わせて
使う場所を移動しながら使っていた。
現代の住宅は、そのほとんどが畳敷以外の床材などで仕上げているので、畳敷はむしろ
特殊なしつらえの印象だ。
(そんなこと言いながら、フツーにフロア材の部屋を設計しているのが事実だが、、、)

設計者自らが、疑問を抱きながらじゃどうしようもないが。

だから、ヒアリング時に「和室が欲しい」とリクエストを受けた時にはその、ご家庭の
「何でも受け皿的な空間」と置き換えてイメージプランとしている。
つまり、古来(大袈裟?)からある畳敷の部屋の可変性を生かして、いろいろな要素を
持ち、答えてくれる場所として。

例えば、スペース的に無駄であっても「気持ちの余裕」を生み出す空間としての存在。
また、急な対応に応じた一時的な収納部屋空間としての存在。
また、「膝をつきあわせ」じゃないけれど、どっしりと密な時間を共有する空間としての存在。
そして、ゲストをおもてなしする際の演出の空間としての存在。
まだまだ、考えるといろいろ当てはめられる。

そのくらい、未だに日本人の生活に直接的に使いこなせる空間だ。

そう考えて、和室のあり方を考えると「なんだっけな?」が一つの回答かもしれず
その曖昧さが日本の住宅の素晴らしい寛容さを物語り、それを設計、お客様ともに
無意識に求める結果なのかもしれない。

さしずめ、この時点で自分が和室を使うなら旨ーい大吟醸の日本酒を飲んでズルズルな状態で
畳の心地よさを頬で感じながら眠りこける感じだな。

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