2012 | 湘南の建築家のひとりごと

2012

本年も設計事務所として「建築」に携わっていこうと思います。

これまで経験を経ることで得ることができた実績を礎に、新たなるアイディアや手法を素直な
気持ちで取り込むことで自身を高めて、結果としてお客様の満足度が高まる建築設計を進めていきます。
宜しくお願いいたします。

こんな小学生の作文的な目標を掲げたのも、一つの理由があるからです。

「プロであり、それ以上に素人になる」
去年の話で恐縮ですが、ありがたくも多忙な仕事量でした。
振り返った一年間のなかで気づかされたことが多き一年でもありました。
経験という数量が多くなる程、そして年齢を重ねる程、それらの蓄積が自分自身の枠組みを
どんどんと強固なものにして、保守的な傾向が強くなっていく気がしました。
新たなアイディアが浮かぶ度に、同時にそのリスクも同じボリュームで読めてしまう。
結果的にネガティブな側面の中から消去法的なポジティブの発想に自制してしまうという
非常に打算的で楽しみのないスパイラルを感じます。

少なくとも「発想」を常とするこの仕事において、この状況は望ましくないです。
「あの家と同じものを作って下さい」と仰るお客様は一人としていません。
同時に同じものは作ることができません。
尚更、私の立場として「経験」という引き出しの多さに満足して、その枠組みからの発想の提供では
いずれ、枯渇して誰からも求められなくなるのは必至だと思います。

素人になる。
言うは易しですが、実はとても勇気が必要です。
でも、勇気を持って自分自身の素人な部分を潔く認め、素人だからこそ結論に臆せずに挑戦する。
まず、その意識を根底に据える。
結果として、失敗などの経験が発生しても最終的には必ず前進して得るものがあります。

保守的な枠組みの打破も難しくありません。
矛盾してしまいますが、僭越ながら経験値はそれなり積み重なってきています。
この一面としてのプロフェッショナルは充分に持ち合わせている自負もあります。

だからこそ、今この時点で、未来に向けてのポジティブに発想を続けてゆくうえで
一度、自分自身の仕事への意識の再認識と再構築のために必要なことと考えました。

「プロであり、それ以上に素人になる」
この意識を常とし、今年も必ず前進します。

ダイニングプラス建築設計事務所 細田淳之介