敷地を見にいく | 湘南の建築家のひとりごと

敷地を見にいく

家を設計して建てるには当然のことながら「場所」が必要です。

私の最初の仕事は「敷地を見る」ことからはじまります。
お客様からの家づくりへの希望や気持ちを伺い
お会いしたご本人のイメージも携えて「敷地」を見に行くのです。

ここにかける時間を私はとても大切にしています。
その敷地の地域性による法的な制約や敷地境界のポイントや給水や排水といった
インフラ要素の確認はもちろんですが、それはあくまで最低限の作業であり
そして「情報」に過ぎないと考えています。

「情報」では決して得る事が出来ない「敷地への感覚」が重要に思えますし
私に至っては、自分自身がその場所に身をおかなければ、設計の手が動いてくれないのです。

非常に抽象的な「何か」の糸口をつかむため敷地に向かうのです。
そしてその「何か」を見つけるには、敷地には何度となく向かいます。
時間を変えて赴いたり、天気を変えて赴いたりと、とにかくその敷地にしかない
オリジナルな「何か」を探すのです。
結果として感じ取った糸口が見えてくると、不思議に「情報」による束縛制限から
解き放たれはじめ、同時にお客様からの希望や気持ちとリンクし始めて
設計の軸のようなものができてきます。
そして、敷地と建物の関係が強まることで、敷地そのものに新たな息吹が生まれる気がしています。

敷地はどれをとっても、同じものはひとつとしてありません。
例えば、同じ大きさや同じ形が連なって開発された分譲地でも、ひとつひとつに個性があります。
そして、そこに住まう方の個性によってその色が一層強まります。

そんな謎解きにも似た、「敷地を見にいく」行為が設計のスタートラインとして
いつも新鮮な気持ちで始めています。