ミズトンボの花の咲く湿地に連れて行ってもらいました。
横から見るとこんな風。
角のように突き出しているのは粘着体というのだそうです。その下の茶色い部分は花粉の入った葯。
後ろ姿
蕾の縞々。瑞々しくて美しい。下に伸びた緑色の管の末端の丸い部分には蜜が溜まっています。
草原の中の一見目立たない植物です。でも、よく見れば羽根を広げたトンボのような、エイリアンの顔のような、とってもアバンギャルドで攻めたデザイン!
上からみると、葯の上に穴がみえます。蜜まで届く長い口吻を持った虫が、そこから蜜を吸うのでしょう。
FBにそんなミズトンボの写真を揚げたら、FB友の方から「蛾媒花の様だから芳香があるのでは?」と情報をいただきました。
それで2日後に、もう一度確かめに行って来ました。残念ながら、私にはあまり匂いは感じられず、夕暮れの森に居続けるのも怖くて蛾に遭うこともなりませんでした。
さて、花の造りを観察しているうち、この粘着体は本当にベタベタするのかしら?と思い、そっと指で触れてみました。すると……
花粉の塊ごと指にくっついてきてしまいました!
振っても落ちない強い粘着力🤯
残った部分(支持体)は先の球体が下半分の皮だけになり、葯も外側の茶色い皮の下は空っぽです。
他の写真を見たら、粘着体から花粉の塊へ伸びた細い糸のような部分が写っていました。
ミズトンボは愛知県では絶滅危惧Ⅱ類だそうです。今の明るい湿地という環境が変化すれば、声も無くすぐに消滅してしまうことでしょう。
私は指にタップリ付いてしまった花粉を見て、昆虫でなくて申し訳ない気持ちになりました。どうしたものか考えた挙げ句、粘着体の下の柱頭の部分にそっと擦り付けました。
こんな風に花弁に見える部分が落ちてしまい、柱頭の先だけが濃い色に変色している株もあったので、受粉して種ができてくれると良いなぁと思いながら帰ってきました。