2017H29s92/4/9 sun
そこはアスレチック・アドベンチャーな山だった。
お金を払って入るトコロにはない、本物のスリリングが待ち受けていた。
そして上には、なぜかまたもや神社が鎮座し…
前回の秋葉山では、自分はデミタス級カップ(:器のちっせーやつ) だったってことが判明した。
そんな程度の人間が、果たして、またまた神にトライって…
その神社、東照宮。
日本三東照宮(とうしょうぐう)のひとつだって言う。
2つは有名で、栃木県の日光東照宮と静岡県の久能山東照宮だ。で、3つ目の枠におさまろうと、あっちにもこっちにもある東照宮さんが名乗りを挙げてるらしい。そしてそのうちのひとつ、愛知県の鳳来山東照宮(ほうらいさんとうしょうぐう)、この積極的アピールなお山が、今回のトレッキングターゲットだ =3
2016/10/22土
鳳来寺山(ほうらいじさん:695m) トレッキング
愛知県新城市門谷鳳来寺
所要時間5時間30分
歩行距離7kmぐらいかナ
"日本三大" と言わないところが平和主義的でいい。ただ、怖いのは、この山、霊山と言われているところ。そのワケが、
こうだ!
1400年前、利修仙人という仙人様がいらっしゃった。
百済(くだら:その時代に朝鮮半島にあった国) へ渡って仙術や仏教を学ばれたらしい。85歳のときだ =3
そして、鳳凰(ほうおう:なにやら神秘を詰め込んでできた鳥型の創造物) に乗って帰って来なさった (-_-?
鳳凰や竜たちと鳳来寺山に住まい修行をつづけられ、
ついには3匹の鬼まで従わせ……
どうだ、怖いだろう。
さらには、入寂(にゅうじゃく:僧がお亡くなりになること) されたのが、御年308歳… って (?_?) モウ何ガ何ダカ
天狗の次は仙人か… って話なわけだ =3
秋葉山ではめまいを覚えた。この山、もしかしたらオレ、破裂するかもしれん…
9:30
県道32号線伊那街道沿い、地図では "鳳来寺駅跡" となっている無料駐車場にマイカーを停めた。すでに数台の車が停まっている。
若者4名の男女混合パーティと中年カップルが、「登山するゾー」 と言わんばかりに準備をしていた。
歩き始めてからの追い越しは精神的エネルギーを使うので、先行しようと我が小隊も準備を急いだ =3
人数が多いほど行動は鈍くなる。お陰さまで少数精鋭の我が小隊は、いち早く出発することができた =3
山へ向かって門前通りを1kmほど進行、入山ポイントに到着する。
例の利修仙人なんだろう、右手には鳳凰にまたがる像が設置されている。ずいぶん幼いようだが、すでに100歳のハズだ =3
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1425段の石段がこの奥に始まる。
彼の(かの)久能山東照宮の参道石段は1159段で所要時間は20分という。つまり計算ではおよそ1秒で1段を上るペース。20分間もそのペースを維持できるのか? ロボか…
てことはここの石段、およそ25分ってことじゃん =3
9:55
石段、仁王門…
石だん、橋…
そしてイシダン、傘杉…
またまたいしだん、松高院…
石段を上ると次の石段に着く。次の石段にたどり着くために石段を上る。だまし絵の石段みたいなことになってなけりゃいいんだが…
振り返ると男女混合パーティが迫っていた。実にハツラツと楽しそうに上ってくる。この石段を楽しく上れるなんて……… 思った。
イイナ
思えばスタートしたときから我が小隊に笑顔はなかった。強張って(こわばって)さえいた。それが、ここで男女混合パーティに抜かれたとたん、ゆるんだ。その顔は負け犬だったかもしれん。でも、
この衝撃で、やっと人間らしい味のある顔になったってわけだ ;-D アハハ~
10:20
医王院
振り返ると、
あの中年カップルも迫っていた。実に安定したペースで上ってくる =3 思った。
ロボだ
中年に抜かれる衝撃はでかい。
めまいに備えて石垣に手を掛けた。
目の前をロボカップルが通過する。
実にクールに通過する。
不思議と、卑屈(ひくつ)な気持ちは湧いてこなかった。お先にどうぞ、とさえ思ってしまった。良く言えば "開眼"、だけどたぶん、屈辱を味わい過ぎた末のプライドのマヒ、ってとこだろうナぁ
ま、上った。
10:30
何やら左手に見どころらしいステージが出現する。
足元はイイ加減に耕され、そして水溜まりやぬかるみがあって、見上げれば岩肌をえぐる爪あとまである。明らかにイノシシと竜の痕跡(こんせき)だ。これらを結界(けっかい)の暗示と捉えるなら、この奥、鬼がいると推測できる。
ここで石段コースからはずれ、左手奥へ続く道へ進むことにした。
我が小隊は、鬼を見てやろうと目論んだ(もくろんだ) =3
すぐに巨石に行き当たる。
巨石の下は奥へ深くくり抜かれている。クマの寝床かオニの作業場かもしれん =3
巨石の脇には上へ登ってゆける道ができている。オニの生活道かもしれん。わずかな高低差だが、ジグ、サグと登って行けるようになっている。明らかに頻繁(ひんぱん)な往来を考慮した作りになっている。オニの仕業(しわざ)か。
地蔵さんがポツリポツリと置かれてはいるが、人の往来も気配もない。
棲み家(すみか)は近いと思われる。
クマに注意しながらオニの気配を手繰った(たぐった)。
登りきったところ、そこには巨大な岩盤が垂直に切り立つ。それに沿って道がある。方向的におそらく、鳳来寺本堂へつながると思われる。
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できれば、農作業でもしてるオニの姿を離れたところからコッソリ覗きたい。バッタリは避けたい。
クマに注意しながら岩壁沿いを静かに進行する。
おっと !
ナニの棲み家かっ !?
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息を殺し、ナニの棲み家の庭先を、スローに、スローに横切らせていただく。振り返っちゃいけない。
ふと、ふだんの自分が思い浮かんだ。
面倒を呼び込まないよう波風立てぬよう息を殺して仕事する。
次から次へと仕事が追いかけてこないようスローに仕事する。
反省や後悔をしてムダな時間をつぶさないよう振り返らず仕事する。
なんてサラリマンチックな状況…
クマ避け(くまよけ:鈴とかスプレーとか) は持ってこなかった。クマになんか遭うわけないって思ったから。同じく、オニ避けも。オニになんかに遭うわけナイ… いねーよと。
実にオニに取り憑かれた10分間だった。
心の中のデキモノに振り回されてしまった。
神(かみ:すがったワラの尊称) と同じだナ
10:40
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石段に出合う。
眼下に鳳来寺本堂だ。まさか石段を下りて本堂に着くとは思いもしなかった (-_-)
麓(ふもと)から45分。
さて、
鳳来寺山トレックは、なんとここからだっ =3
情報によれば、東照宮あたりから山道に入れるらしい。
東照宮を探した =3
東照宮を見つけた !
山道を探した =3
意外なところに山道を見つけた !
その山道は、
鳳来寺本堂前を通過し、
閉店休業中の売店前を通過し、
やや歩いたところで左手の石段を登り、
鳥居をくぐって境内からさらに急な石段を登り、
やっと鳳来山東照宮社殿を目の当たりにしたところで、ふっ
と左手の社務所に目をやり、さらに首を深く左に捻り込んでやると、
建物脇に入っていける細い隙間程度の通路が目に飛び込んでくる。
そこを入っていった奥にあった =3
11:10
我が小隊は山道に取り付いた。
足腰の筋肉が働くよう意識しながら歩いた。
この山には、急斜面に山道を通すため木製の橋が多く掛けられている。
実にスリリングな橋が多い。
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朽ち果てる間際の手摺り。
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その眼下には深く奈落へ落ちてゆく急斜面が展開している。
右へ左へ蛇行し、上へ下へと起伏する先の見通せない山道、
ゴツゴツ岩場でアクロバティックに調理しているパーティ、
シャカシャカとシッポを振るヘビ、
広範囲に山のあちこちから人の声が聞こえてくる。
まるでアスレチック、まるでアドベンチャー、そう思った。
これまでに登ってきた数々の山のなかで、いちばんにおもしろい。
11:40
鷹打場(たかうちば)
山から岩場がせり出ている。
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写真に見える岩テーブルから、もっと先へ出ていける。そこには、左右180°以上の景色が広がる。
お昼にした。
突端の足場の悪いところにリュックを降ろし、腰を下ろし、靴を脱ぎ、なぜかメガネもはずした。
お弁当を出し、
食べた。
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座布団様(ざぶとんよう:座布団のような) のオニギリは、2cm程度の厚みで四角くにぎる。ベチャっとした海苔に空気を含まないムッチリした食感も特徴だ。
そんな姿だけど、海苔の香りに食欲が湧くし、ぼろぼろ崩れないズシンとした握りに安心感があって、少なくない具が終始おいしく、なにより食べた感があって嬉しい。
あの30円程度がお似合いのおにぎりとは実用レベルが違う =3
12:00
いく人かの声が近づいてきた。岩テーブルあたりまで来ている。
ダカラ水を一口飲んでお昼休憩を終えた。
靴を履いた。
立ち上がった。
メガネを踏んづけた。左レンズが外れた。レンズはポケットに入れメガネを掛けた。
リュックを背負った。
突端から岩テーブルまで戻り家族連れに挨拶をして先へ進んだ。
13:05
鳳来寺山山頂に到達。
なんて景色のナイところなんだ…
女子2名が腰を据え人間関係について談話されている。景色がないから会話に集中する。
片や、若年カップルがしきりに自撮りされている。景色がないから自分たちを撮るしかない。
広くもなく、居場所もないので進むことにした。道なりに進んだ。
すぐに看板に戸惑う。この先 "棚山方面" とある。まっすぐ進んではダメらしい。ぐるっと周って本堂へ戻りたいんだけど…
カップルの自撮りが止まらない。
観察道って書いてある道を見つけた。 …ナニ? カンサツドウって
山頂からは、3方向へ道が伸びていた。来た道、棚山へ行く道、そして観察道。ぐるっと周って本堂へ戻りたいんだけど…
女子の会談が止まらない。
来た道を戻るのはイヤだし、棚山へは行かない(どこだよソレ)。
てことで観察道を進むことにした。 …ナニ? カンサツドウって
下っていく山道。10分ほど歩いた。鳳来寺本堂へ向かってることを示す道標を見つける!
朽ちた休憩所、
絶景ポイントがあって、
眼下彼方(かなた)には森林の中に寂しさ満載の休憩所がポツンと見え、
さらに下って、
朽ち果てに候う(そうろう)奥の院、
利修仙人入寂の地、勝岳不動、
谷底へ崩れかけた山道、
鉄製の階段に木製の橋、
そして、、
13:50
鳳来寺本堂着 !
ぐるっと周って戻って来れて嬉しい。
山頂から45分。
参拝客が増えている。
用も思いつかないので、さっそく石段を下ることにした。数分で馬の背岩展望台へ分岐する案内標。本線石段から外れて、そちらの山道へ進む。
山道の縁(へり)はイイ加減に耕され、
ときどきガレガレ、
馬の背を思わせる尾根に、
山道らしからぬ岩ゴツゴツの、
どうやら、、
190

50分前に見たポツンの休憩所みたいだゾ =3
あそこで見た森林の中にいるらしい。
ここは、終点なのか… ?
戻らんといかんのか… ?
山をトレックしたくなる気分がどこから湧いてくるかって、
「えーーっっ こんなところに道ガーーっ」 \(To*)/ ウヲーッ
そんな興奮体験が蘇ってくるからだ。
そしてまた、
ここにも、
道が !
こんな岩場の上に、終着と思わせる所に、朽ちた休憩所の、さらに向こうへ明らかな山道が伸びる =3
レンズのない左目でもハッキリ見えるゾーっ \(^o*)/ ウガー
道は、
とてつもなく崩れていたり、
ヘビを踏みそう触りそうになったり、
下って転んで、ガレて転んで、滑って転んで、3回の転倒に右手のオネエサン指を捻挫して、
なかなかの下り加減でスピード落とせず、
太ももが上がらないほどの強烈な疲労感と、
この悪路がどこまで続くのかって、
とつぜん、
なだれ込むように、
仁王門近くの石段に合流ーっ =3=3
15:10
車
「帰ってこれたぁ」 …ココロの奥底から出てきた言葉。
運転席から山を見上げた。
ナニカの際(きわ:ギリなこと) にいたんだろう、走馬灯のようにいろいろが頭を巡った。
いろいろな本物がココロを掻き回してくれた。
ありえないほどアタマを使った。
カラダがどんどん動いた。
汚れて怪我して筋肉痛で汗まみれでも不満が一切湧いてこない。それどころか爽快感と充足感が溢れてくる。お金を払って入るトコロより数段上の、否、1425段さらに上の満足だ。
気軽な「行ってきた!」 でない、価値ある体験だった。
翌日、右手のオネエサンが何かを訴えていた。ひと回り太ったオネエサンが。 (=_=;