信じていた人に裏切られるというのは、とてもつらいことだと思います。

人間不信になりかねないのが、怖いところです。

 

もう10年以上前になるのですが、佐伯チズ先生とお会いしたことがありました。

青山ベルコモンズで、草野満代さんが司会のイベントという豪華さでした。

佐伯先生も草野さんもとてもおきれいで、圧倒されたのを覚えています。

 

そのときに、佐伯先生のアシスタントとして来ておられた感じのいい女性のことも覚えています。先生がお年なので、と心配されていました。

 

佐伯先生に相談したのは、職場の人とうまくいかないということでした。いつも怒っている感じの男性がいて、私のことを嫌っているのか、他の人には愛想がいいのに、私にだけ挨拶をしても挨拶をし返してくれないと相談しました。

先生は、挨拶して挨拶し返してくれなくても、ずっと挨拶し続ければいつかは相手に伝わることを教えてくれました。

 

そんな人を信じて生きられれば苦労はない、ずっと挨拶し続けるなんて、向こうが意地悪なのに、そんな人に下手に出たら余計にバカにされるだけ、あんな人にバカにされてなるものかとそのときの私は思いました。

 

先生が、ペリエにレモンを入れたのを飲まれていたので、真似してそれからペリエを飲むようになりました。

 

長く生きていると、信じていた人から裏切られるというのは、よくあることで、避けられないことだと思います。そのときの衝撃は半端ではないですが、そういう人を信じた自分が悪いと、自業自得と自己反省するしかないかもしれないと思っています。

そのあと、少しずつ人のやさしさを感じることで、世の中はそういう悪い人ばかりでないのかもしれないという希望を持ってきました。

人に裏切られたからといって、人間不信にならず、また自分から人に関わる勇気を捨てないように心がけられればと思います。そうしないと、偏屈になって、殻にこもってしまいそうです。