百田尚樹さん著モンスターを読みました。
高岡早紀さん主演で映画化もされているんですね。
あまりの醜さから小さいころから、ブルドッグ、化け物とよばれ、いじめられそのせいで、恋も仕事もチャンスを与えられず暗い人生を送っていた主人公が整形で誰もが振り返るような絶世の美女に生まれ変わり、昔好きだった幼馴染の男性に再会するというような話です。
でも、なんか女性としてのリアリティが感じられず、つくりものの話っぽい感じがして、入り込めませんでした。
「ブスな私が合コンでもてるように付け爪をして赤いドレスを着ていた」と書かれてあったのですが、付け爪ではなくて、桜色のミディアムチップをつけて、ジルサンダーの光沢がある赤い色がボディラインをきれいに見せてくれるドレスを着て、唇にはドレスと合わせたルブタンの真紅のリップを引いていた、みたいに、もうちょっとわくわくするディティールがほしかったなと思いました。
著者がわざと主人公のだささを際立たせるために、こういう表現をしたのかもしれませんが、夢見られるような華やかさがほしかったです。
文中に、はしょっている感じがよく見られました。美人、ブスと書かれているだけで、具体さはない。ひと言「美人」で表すよりもディティールで表したほうが、想像しやすい気がします。
渡辺佳恵さんの小説のほうが、女性というものが出ていて、怖いながらも、素敵だなあと心の底から思いました。
彼の会社の同じ部署の同僚、45歳くらいの台湾人女性が、私妊娠したからしばらくしたら産休に入ると言ってきたそうです。
彼女は独身なので、結婚するの?と聞いたところ、結婚はしない、この子は私一人で育てると言ったそうです。
彼は、日ごろの様子からみて、その女性は、多分職場の誰かと、その人の同意を得ないで妊娠したんじゃないかと推測していました。45歳だと、生めるチャンスのタイムリミットが迫ってきています。
台湾人の女性は見た目は普通だけど、ものすごく強い性格でぐいぐい押すタイプだそうです。
彼は彼女のマネージャなので、産休の間の仕事のカバーについて考えないと、と言っていました。
女性の生き方っていろいろあるんだなと思いました。