続き


女性:そう。新聞も当初は、軍部の中国大陸進出であるとか拡大方針を、必ずしも賛成してませんでした。


でも、それでは部数が下がってしまったんですね。


そこで、ある新聞が日本の戦争態勢(⁠体制?)を盛り上げるような記事を書いていったら、部数がぐんと伸びました。

あとはもう、新聞社同士の部数争い。

部数競争です。

別の記事が、中国で戦う兵士の勇ましい様子を書くようになる。

部数が上がる。

そうすると新聞社は次々に、戦争を応援し 鼓舞するような記事を競って載せるようになっていきますね。



オオヤ君:部数を上げるための競争ですね。



女性:はい。新聞はどんどん変わっていく。

で、これに刺激された国民は、軍部を支持するようになりますし、軍部もますます力を持っていくようになっていきます。

筆者は「あとはもう、どうしようもない」

と書いていました。


新聞社の部数競争によって国民が踊らされ、軍部が絶対の力を持つ。

競争原理のスイッチが一旦入ってしまうと、もう止められないんですね。

かくして、戦争中のメディアは大本営発表となっていきます。

日本軍はいつでも勝っていることになっていましたけども、それは嘘でした。



オオヤ君:「国民の大多数は、天皇がラジオで敗戦を発表するまで、勝ち戦だと信じていた」

とありますね。



女性:はい。前回読んだ箇所の最後に

「誰も間違っているとは気づかない。

 気づくのはいつも、ことが終わってからだ」

とありましたね。


戦争が終わってから。

大勢の人が亡くなってしまってから。

それからようやく、自分たちが真実を知らされていなかったことに気づくんです。

それは日本の歴史の中の、痛ましい、生々しい体験でした。


以上、戦争時代のメディアについてでした。




続く