蔦屋書店(代官山)と書店発フリーペーパー | ほんのにちようび

ほんのにちようび

心に残った本のあらすじと感想をつづります。

(時に映画、マンガ、音楽などについても)

書店勤務の友人がこの間、「うちのチェーンの売り上げはこのところ毎年3~4%ずつ落ちている」と言っていた。日販が書店に対して買い切り制を導入するかも、なんていうニュースも出ていたし、書店を取り巻く状況はどんどん厳しくなっているようだ。


でも、書店もいろんな試みをしているんだなあ、と思ったことがふたつ。


1つはTSUTAYAが代官山に出店した「蔦屋書店」。

CCCが現状に危機感を感じて打ち出した新タイプの書店だ。3つの建物に分かれていて、それぞれ1階は旅行・料理・文具+スタバのどちらかというと女子向けフロア、車・建築・デザインなどのどちらかというと男子向けフロア、文学メインの読書好きフロア、というつくりになっている。2階は渡り廊下でつながっていて、CDやDVDのレンタルができるようになっているところがTSUTAYAらしい。


2階中央はふかふかのソファがあるカフェになっていて、すでに休刊になった雑誌や今も続く雑誌のバックナンバー(平凡パンチ、明星時代の「Myojo」など。ジャンルもさまざま)が読めるようになっている。このカフェはかなり魅力的だったけど、いかんせん行ったのが日曜日だったため満席。しかも誰も席を立つ気配がない(笑)。中央にあるカウンターも本を積み上げて作ってあるというこだわりぶりが素敵だ。


この「蔦屋書店」がほかの書店と違うところは、まず全ジャンルを網羅していないこと。コミックや参考書、おしゃれでない実用書などは意図的においていないようだ。雑誌のバックナンバー(それもかなり前、1980年代のものなどまで)が豊富においてあり、実際に買うこともできること。また、旅行フロアには実際にコンシェルジェがいて、旅行の予約までできること。棚の並びも面白く、たとえば旅行の「韓国」の棚には旅行本だけでなく、韓国料理の本、韓国コスメの本から、「シュリ」「猟奇的な彼女」のような映画DVDも置いてあるのが面白い。ヴィレッジヴァンガードのおしゃれハイクラス版と言った感じだ。


まあ、個人的には(自分には興味のない)車関連がやたら充実してるなあ、とか、文芸コーナーは正直それほど買いたい!と思わせるつくりではなかったなあ(個人的に「鳩よ!」のバックナンバーを期待していたので、見つからなかったのが残念)とか、自分向きではない点もいくつか感じたけど、近所にあったら頻繁に通うだろう店であることは間違いない。


2つめは各書店が出している熱いフリーペーパー。

これはそれぞれのチェーンがやっているというわけでもなく、熱意のある書店員有志が作って、勤めている書店に置いているという感じだ。三省堂書店の有楽町で前から「ブンブンコ通信」というフリペ(しかもオール手書きで小学校時代の学級通信みたいなやつ)を出していたのだけど、最近は他チェーンのフリペまで集めておいてあるようになった。こないだもらってきたのは啓文社コア福山西の「明日読む本は、これにしよう!」、精文館書店中島新町店「次読むならコレにしやぁ~」、丸善津田沼店「読書日和」、啓文堂書店多摩センター店「クロネコ通信」など。各書店員の熱いおススメ本が書いてあって、かなり読書欲が湧いてくる。


去年サンフランシスコに行ったとき、市内のどこを探しても「ボーダーズ」「バーンズ&ノーブル」などの大型書店がなかったことが忘れられない。書店がなくなったら、街のどこで心を休めればいいのだろう。厳しい時代だと思うけど、書店にはなんとか頑張ってほしい。


BGM:The show/Kerris Dorsey