体調を崩されて、しばらく休筆なさるそうです。
復帰の目処もたっていないようで、かなり心配です……。
最近たしかに「えっ!また中村明日美子、新刊出るの!?」ってくらいのハイペースで
お仕事をされていたので、なるべくしてなってしまったような気もします。
今月には、モーニングの連載「呼び出し一」の1巻も出ますし
今はじっくり休養されて、そして長く漫画を描いてくださることを望みます。
ハイペースじゃなくていいんです!
でも、ずっと新刊を楽しみに生きていきたいんです。
お大事になさってほしいです。
ウツボラは、続刊が出たら感想を書こうと思っていたのですが
思ったより間が開きそうなので、今更ですが感想です。
「著者初のサイコサスペンス」とのアオリに恥じない、小説のような雰囲気の今作。
神経質な細い描線で描かれる、中村明日美子の作風にぴったりです。
********以下あらすじを含む感想です********
まず1話の扉が素晴らしいです。
導入からあけて一転、ビルから飛び降りる女性の後姿。
ここでもう、ぐいっと話に引き込まれます。
また、この「後姿」がポイントです。
飛び降りた女性は「朱」という美貌の女性と思われ、彼女の知り合いである
主人公は警察に呼ばれます。
しかし彼は「朱」との関係を訊かれますが、上手く答えられません。
ただの小説家とそのファン――。
そうでないことは、誰の目にもあきらかでした。
そんな嫌な場面で主人公が出会ったのは、「朱」と瓜二つの「桜」という女性だった。
彼女が主人公に近づく狙いとは。そして彼はこの事件にどのように関わっているのか。
あらすじはそんな感じです。
たいていの物語と同じく、主人公の目線で話は進むのですが
しかし主人公は何か腹にイチモツあるのです。
それが何なのか。
また、事件を追う刑事さんも一癖あり、これも絡んできそう。
もちろん桜にいたっては、存在自体が謎です。
このまま進めば、とてもいい雰囲気の群像劇になりそうな予感がします。
謎の匂わせ方も上手く、小出しにすることや伏線を細かく貼っているところが
(まだ回収されていないので、たぶんここが伏線でしょ?っていうところを感じるだけですが)
ミステリ的にも楽しめそうです。
冒頭で書いた「後姿」ですが、「朱」は基本的に顔が見えません。
死体も破損が激しく、顔がないとの描写があり
作中ではもう亡くなった人なので、その後登場する事はありません。
写真すらありません。
主人公の回想でだけ、彼女は顔を持った人間として出てきます。
そんなあやふやな人物なのに、
回想シーンで出てくる圧倒的な美貌と、強い印象だけが確かに感じられるのです。
そしてその感覚だけが、「朱」と真相へ続いているのです。
その細い糸をたぐるような、頼りない謎への道筋が
今後待っているであろう、大きな解決につながるかと思うとわくわくします。
まだ1巻なので、物語は始まったばかりですが
続きが楽しみな作品です。
時間がかかっても完結まで追い続けたいと思います。

