外はまだ暗い。駅とはいえ改札もなく、建物ですらない、単なる場所だ。そこに一人で立っている。


ネックウォーマーの下にマフラータオルまで巻いてもダメだ。頭を少しでも動かすと首に空気が入ってきて針で刺されるように痛い。


手袋をしてポケットに入れた両手を出してイヤフォンをする。Original of the Speciesのイントロはあたたかい。


日曜なので、一車両だけの始発がガラガラだ。


急に腹部に激痛が走った。小さなパンを一つと温かい紅茶を飲んだだけなのに。部活の前にはよくお腹が痛くなる。


すぐに乗り換えの駅につく。次の電車に乗って出発を待つ。こちらは何車輪もあるが、日曜の早朝はやはりガラガラだ。


解散とともにリリースされたオアシスのベストアルバムには、ボーナスCDとしてライブ音源集もあった。その中の


Half The World Away

Champagne Supernova

Don't Look Back In Angerを、


U2の曲などとともにプレイリストに入れている。Don't Look…はオリジナルと違ってアコースティック編曲になっていて、これはこれで良い。ライブ音源なので観客の歓声なども聞こえて臨場感がある。


高校の最寄駅に着いたらイヤフォンを外して部室に向かう。


野球部などと違って練習がお昼で終わるのは唯一の救いか。


帰りはよく駅の自販機でマッチを買う。運動後に飲むと美味い。炭酸飲料は飲むべきでないとかいう文化があるコミュニティーだったが、反体制的な私はそんなことお構いなし。掟に忠実な部員らと出くわさないホームの一番奥で待つ。


トラヴィスの好きな曲を集めたプレイリストもある。とくに、


Flowers In The Window

My Eyes

Walking In The Sun


なんかがお気に入りだ。


帰宅したらよくリンキンパークのライブ映像などを観る。ラウドロックは気持ちがいい。グラウンドで誰とも話さず黙っている分、爆音で昂揚して何かを発散したいのかも。


ライブ終盤にJAY-Zが登場して、


Numb/Encore

Jigga What/Faint


を演るところなんてもう最高だ。


いまほどビデオが重視される時代ではなかったと思うが、


SUM41With Me

NICKELBACKPhotograph


などなどパソコンでよくPVを観ていた。こうやってYouTubeで知るバンドもけっこういたな。


高校時代ほど、自分に音楽"しか"なかった時期は他にない。数々のロックやポップスを聴いている時がいちばん気分がよかった。あの3年の物語は私のハイスクール・ミュージカルだ。ああいう風に歌ったりはしないけど。英語の授業で観たのが懐かしいな。


好みが同じ人を探した方がいい。そういう人がいそうな所に行くといい。そこから新しい何かが始まる。





「え〜嫌い。アレうるせーんだもん」とか言う"チームメイト"とは今やいっさい縁がない。ミュージカル映画をうるさいと言われちゃかなわない。