We need rope.


Anything else?


Yeah, three double cheeseburgers with everything. 


なんてやり取りを観てたら食べたくなってきたので、昼はドライブスルー行くか。


チャリチャリカチャッ


鈴をつけた車と家のカギを持ち出してドアを開ける。


いろんな軽音楽の入ったプレイリストがドライブのおともだ。


"She played the fiddle…"


近くの国道を10分ほど走る。この街の国道沿いはチェーン店がたくさん並んでいて、生まれ育った所のそれと似ている。ときどき2時間半くらいかけて実家に帰るが、その道中も似たような田園風景とチェーン店風景で韻を踏む"北関東の街道をゆく"が楽しめる。


黄色いMが見えてきた。ありふれたジャンクフードやチェーン店で十分幸せな私には、"ダサい"を冠した不憫な愛称()のあるこの県も申し分ない。ぜんぜんダサくない。


"An Tagen wie diesen…"


ドライブスルーで注文して受け取るまでの間はカーステレオの音量を下げる。あ、カードでお願いします。お待たせいたしました。ありがとうございます。また音量を上げて家に向かう。


"そういう世界があるなら…"


国道を抜け、駅前のロータリーを回って少し細い道を行けばすぐに家に着く。


"I would like to leave this city…"


チャリチャリカチャッ


またブルーレイデッキの電源を入れて、先ほどのシーンから。ここ、クライマックスじゃないのにクライマックスのような壮絶さだから、この後の展開のインパクトが薄れるんだよなあ。


とか考えながらポテトを食べ始める。うまっ。


No onions on mine.


And an apple turnover.


アップルパイも買ってくればよかったな。


こんな感じの休日を何度も過ごしていた。


昨夜、久々にロストワールドを観たらあの休日のまったりした、それでもどこか憂鬱でもあったような気持ちを思い出した。


恐竜に襲われてはいないが、命からがら生還した感覚には違いない。数年働いた分のまあまあの蓄えが"ラッキーパック"だったか。おかげで思い切れた。