今日、生まれて初めて「職安」に行ってきた。

この100年に一度だとか言われるリーマンショック以降の大不況で失業者が大量に溢れ出し、職安(正式には公共職業安定所もしくはハローワーク)は大にぎわいだという。最近の新聞記事には、ハローワークの正規職員を緊急に数百人増やし、臨時職員と併せて2千人規模の増員をするという話もあったくらいだ。4月にハローワークを利用した友人から、初回の手続きは3時間半待ちだったという話を聞いていたし、ハローワークのウェブサイトを見ると、2~3時間待ち状態ですと書いてある。どんなに待ち時間が長くてもいいように、3冊の本をカバンに入れて、管轄のハローワークへと足を運んだ。

実際、到着してみると、思った程の混雑ではない。なにしろ今日が初めての利用だから、通常時との比較ができないのだが、求職者で溢れかえって、満員電車みたいになっているのかと思ったら、案外平静な様子で拍子抜けした。立って待っている人もいないくらいの人数だし、そこまで悲愴な顔をした人も、少なくとも表面上では見受けられなかった。結局、初回受付→求職手続き→雇用保険の受給資格手続き&審査と、3段階併せて2時間で終了した。

無知なもので、今回、自分自身が雇用保険の給付対象になるまで、ハローワークというところが何をするところなのか、漠然とした知識しか持ち合わせていなかった。なんとなく、職を失った人が、政府からの補助を得ながら新しい職を探すところというイメージを抱いていたのだけれど、まあ、それは大きくは外れていない。ただし、この生活のあらゆる面にインターネットが入り込んでいる世の中、求職活動の多くは、特に若い人のそれは、インターネットなどを通じて行われるケースがほとんどだ。ではなぜ職を失った人が続々と職安に通うのか。答えは「雇用保険をもらうため」だった。

雇用保険、通称失業保険は、その名の通り、仕事をしていた人が職を失った時に資格が発生する。ただし、雇用保険と冠している通り、再雇用を目指している人を支援する為の保険だ。だから、仕事を辞めた人が皆もらえるわけではなくて、必ず「失業」と「次の職への職探し」がセットでなくては、受給資格は与えられない。つまり、転職する前にしばらく学校に通いますとか、妊娠していますとか、即時の就職が見込めない場合には、保険はもらえないのだ。そして、職探しをしている証拠を1ヶ月に1回提出しなくてはいけない。

さらに、受給の開始時期も、失業の理由により大きく変わる。自分で退職を決意した「自己都合」の場合は、3ヶ月間は支給されないのにたいして、事業主の都合(解雇/倒産など)の場合は、原則申請日の1週間後からが支給対象になる。恐らく、自己都合で退職した人は、自分で退職時期を決めたんだから、退職する前に職探しをする余裕があったでしょ?ということだと思う。

私の場合は、事業主の都合での退職で、且つ次への職探しはすでに開始しているので、特に何も聞かれることもなく即日給付開始となった。色々と聞かれることを想定して準備していたのに、拍子抜けするくらい。現在は全くの無収入な訳で、以前の給料の何割かをもらえるというのはとても大きい。生活費のこともあるし、就職活動というのは意外にお金がかかる。スーツだ鞄だと大きい出費もあるし、対策本や履歴書、写真代なんかもばかにならない。これを補助してもらえるのは本当にありがたいことだ。まぁ、元を正せば、自分が働いている間に収めていた雇用保険料が返ってきているだけと言えなくもないんだけど…。

ともかく、無事に雇用保険が支給されることとなったので、これからはより安心して、日々の活動に専念出来そうだ。明日からは、今後の方針についてまとめていこう。後、今日持って行った3冊の内、2冊を読了したので、その感想などもまた明日。

おやすみなさい。