IN HER BOX
彼女は隔離された無菌室の中で手紙を読んでいる。
彼女自身ユキ以外に誰にも自分の事を教えはしなかった。だから、だれも彼女を見舞う事さえできないし、仮にそれを教えたとしても、見舞いにくる者など一人もいないだろうことは彼女が一番良く知っていた。
一度、ユキと佐竹が見舞いに来た事がある、その後、ユキの面談さえも彼女は拒むようになった。ユキと
佐竹の笑顔を見ると、彼女は泣きそうになった。彼女はユキに触れたかった、佐竹に触れたかった、この透明のガラスを境にユキと佐竹がいる世界があって、その世界にいる、ユキと佐竹が美して仕方が無く、その美しいものに触れたくて仕方が無かった。触れる事ができない事がなおさらそう思わせる。そう思う自分に同情する事が彼女には耐えられなかった。だから彼女は二人と会う事を拒むようになり、そのかわり、お互いに手紙を月に一度書くことユキと約束した。
ユキから彼女に宛てた手紙はユキを取り巻く新しい現実の話、彼女からユキに宛てた手紙は彼女が抱く空想の話。どちらにもお互いに与えあえる希望がちりばめられていた。
白い壁、薄青い無地のカーテン、一定のリズムでに鳴り続ける計器音が無機的なこの部屋をより無機的にした。彼女をとりまく、すべての色は明度が高く、色彩にかけている。
そのような空間でユキからの手紙が彼女に与える色彩は色とりどりで、彼女に生きる希望を、希望というよりも強い意志を持たせた。彼女はユキの事をうらやましいとは思わなかった、というのは彼女にとってユキの見たもの感じたものはその手紙によって彼女に与えられたからで、二人は共に生きていたから。いつかここから出て、彼女のもとに私も向かうのだと強い心を持つのだが、その強い気持ちに反して、どうしても涙が止めることができなかった。彼女自身ユキ以外に誰にも自分の事を教えはしなかった。だから、だれも彼女を見舞う事さえできないし、仮にそれを教えたとしても、見舞いにくる者など一人もいないだろうことは彼女が一番良く知っていた。
一度、ユキと佐竹が見舞いに来た事がある、その後、ユキの面談さえも彼女は拒むようになった。ユキと
佐竹の笑顔を見ると、彼女は泣きそうになった。彼女はユキに触れたかった、佐竹に触れたかった、この透明のガラスを境にユキと佐竹がいる世界があって、その世界にいる、ユキと佐竹が美して仕方が無く、その美しいものに触れたくて仕方が無かった。触れる事ができない事がなおさらそう思わせる。そう思う自分に同情する事が彼女には耐えられなかった。だから彼女は二人と会う事を拒むようになり、そのかわり、お互いに手紙を月に一度書くことユキと約束した。
ユキから彼女に宛てた手紙はユキを取り巻く新しい現実の話、彼女からユキに宛てた手紙は彼女が抱く空想の話。どちらにもお互いに与えあえる希望がちりばめられていた。