アナグマの王様 | THROUGH MY FINDER

アナグマの王様

私はアナグマの中のアナグマ、何を隠そう私はアナグマの王である。アナグマは
イタチ科である、狸と間違える輩がいたら、この鋭い爪で引っ掻いてやるよ。
穴堀が得意だ、世界アナグマ穴掘り選手権で10連覇を成し遂げた事もある。
なにかこつはあるのかと?それは秘密だよ君。それを教えれば私の王の座が
危うくなるじゃないか。なんてちっちゃな事は言いやしないよ。こつはね
自分の手の重みを使うんだ、こうだ いや違うよ こうだよ、こう
そうだやればできるじゃないか。ての重みを使うから無駄な力を使わないんだ。
だからあの大きな穴を休む事無く掘る事ができる。休まないから早いんだ。
どうだ、合理的だろ?他のアナグマはそうはいかないんだ。合理的ってのが
苦手なんだ。君はなかなかセンスがあるよ。私の側近にしてやりたいがね。
残念ながら君は人間だから、それは無理のようだ。アナグマ法典にそう記さ
れている。
で、話とはなんなのかね?
なにジャガイモを収穫するまで、手を付けないでほしいと?
それは難しいな。最近、山のドングリも数が減ってきておってな。
どうも君らのせいらしいじゃないか。私たちもね命がかかっておるのでね。
極力は人間の作ったものに手出しをしちゃならんと法典にもあるのじゃがな。
例外というものもある。生命の存続の危機の場合例外とするとな。
それはできんのじゃ。すまぬ。しかしな、そなたの畑のジャガイモを
食らう事は禁止にしよう。わしの側近モリーの命の恩人じゃからな。
騙る様な事はせん、サルノコシカケに誓ってしまい。それでは元気でな。

僕はアナグマの王にモリーを届けた帰り、アナグマが掘った陥穽にはまった。
そして気を失った。目覚めたら畑に寝そべっていた。ジャガイモはすべて掘り
起こされて、跡形も無かった。アナグマにとって、サルノコシカケは大した
存在ではないらしい。