
電子書籍ビューワー、ダブルSDスロット…。いつのまにかガラパゴス的進化を遂げていた電子辞書の世界最近ネットで出まわった「なぜ家電メーカーが赤字なのか一目でわかる画像」。
1980年代にはビデオカメラ、ラジカセ、ウォークマン、ビデオデッキ、携帯テレビ、ワープロなど、何かをやりたければおのおの専用機が必要だったものが、今やそれらすべてがスマートフォン1台で済んでしまう。
そんな対比で旧態然とした家電メーカーの苦境の原因を端的にあらわしています。
みなさんの生活でも、こうした単機能家電のリストラが進んでいることでしょう。例えばスマホを入手して以来、「アプリで事足りてしまう」と、カバンの中から携帯音楽プレイヤーとコンパクトデジカメが消えたという方は少なくないと思います。
でも、かたや「やっぱり専用機が良い」というニーズもあります。
筆者もiPhoneに録音機能があるにもかかわらず、その信頼性と音質からICレコーダーを手放せないでいます。
また人によっては、その「リストラできない専用機」が電子辞書だとも聞きます。
それこそ「電子辞書アプリでいいじゃない?」と思ったりもするのですが、たまたま取材でうかがったカシオ計算機で最新モデルを見せてもらい、その独自の進化にビビりました。
ちなみに筆者の電子辞書知識は5年ほど前に買った、モノクロ液晶のカシオ エクスワードで止まっているのですが、最新モデルではまずメイン液晶のほか、QWERTYの物理キーボード下にあるサブ液晶までカラー&タッチパネル化されています。
これによりスクロールやボリューム調整などの操作のほか、手書き文字による検索や、カラー図版の確認、気になる箇所のマーキングなどができるようになりました。
さらにエクスワードの2012年モデルから、メイン液晶右側のスクロールパッドを指でなぞることで、微妙なスクロールやページ送りが可能になっています。
もっともこの辺はスマホでは当たり前の操作・機能なので、ようやく電子辞書がスマホの使い勝手に追いついたと言った方が正しいのかもしれません。
ただ、豊富なコンテンツとその物量・お得感は依然として電子辞書に分があります。
エクスワードのハイエンドモデル「XD-D10000」は6万円もするのですが、研究・翻訳・専門学習をしたい人に向けたプロフェッショナルモデルだけに、英語の辞書だけでも26種類!
当然、国語系、ビジネス系、トラベル系、生活・実用系の辞典/事典も含めると全部で170コンテンツを収録しており、もしこれらを全部書籍で買ったとしたら80万円以上、重さもゆうに100kgを超えるため「とても買えないし、買えたとしても持ち歩けない」のだそうです。
実際、全部必要なのかどうかは別にして、こんなことを平戸訛りでまくしたてられたら、思わずポチってしまうのもわかります。
さらに、青空文庫から国内外の古典名作を2000冊収録しており、本体を90度回転させるブックスタイルで持つことで小説を縦書きで楽しむことができます。
今やほとんどの高校生が所有する電子辞書ですが、もし筆者の高校時代にエクスワードがあればいちいち太宰治の作品など買わなくて済んだのかもしれませんね。もっとも、タダで手に入ったら手に入ったで読まなかったかもしれません。
また、ブックスタイルで表示させるコンテンツは自分で用意したテキストファイルでもOK。いわば簡易電子書籍ビューワーとしても使えます。使い勝手も、前述したスクロールパッドでのページ送りや、サブ液晶に表示されるしおり挿入ボタンなど、なかなか頑張っています。
また、大学生のように進級するたびに新たな専門辞書が必要になってくるケースに備え、microSDカードによるコンテンツの追加もできるようになっています。
しかも異なるコンテンツカードが2枚挿せるダブルスロット。
この辺は、使い勝手の向上と著作権保護を目的にした苦肉の策的な進化なのかもしれません。
本体内のコンテンツを自由にインストール/アンインストールできない不自由さは相変わらず存在する電子辞書ですが、逆に言えばコンテンツを抱き合わせで買うのでひとつひとつが安いという、痛し痒しの状況になっているとも言えるでしょう。
そもそも専用機なので長寿命のバッテリーも売りです。
エクスワードは単3アルカリ2本で約130時間の駆動と、電池交換を意識しないでいいレベル。また、学生が乱暴に扱うことを想定して、G-SHOCK譲り(?)の落下・振動・加圧に耐えるタフ構造も採用しているのだそう。
以上のような機能を考慮すると、あえてスマホではなく電子辞書を選ぶ理由というのもわからないでもありません。
つまり──
1.スマホやノートパソコンで作業しながら、サブ液晶的に辞書検索・参照
2.スマホアプリではカバーしきれない豊富なコンテンツと価格の安さ
3.専用機による起動の速さ
4.物理キー、手書き入力など豊富な検索方法
5.長寿命バッテリー
6.スタンドアローン(カリキュラム的にネット環境が特に必要のない学生)
なのかしらと。
ここまで来たら、いっそエディタやメールソフトも内蔵して(実際に他社にはメモ機能付きモデルもある)、スマホやパソコンと連携し検索語や検索結果などを共有できたら…なんて考えてしまったりもするんですが、それはノートパソコンを2台持つのと変わらない気がするのでやめておきましょう。
電子辞書|カシオ計算機 http://casio.jp/exword/
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