こんにちは。
雨の思い出…。
雨の思い出って、どうしても切ない事、寂しい事、辛かった事を思い出すことが多い。
もちろん雨でも楽しかった思い出はたくさんあるんですが…
昨日、雨の風景を眺めていて思い出したこと。
昔、僕には好きな人がいました。
その人は、遠く離れた町に住んでいました。
ほとんど僕の片思い。手紙を書いたり、電話したりするだけの友達のような人だった
僕が好きな人に会いに行きたい気持ちは、募るばかり…
ある日、思い切って「会いたい…」って友達に電話で伝えました。
返事は「いいよ…」だった。
新幹線と高速バスを乗り継いで、大阪から4時間ほどの遠い町へ僕は行きました。
遠い町では、ほんのちょっとの観光と居酒屋での食事で時間が無くなってしまいました。
そして夜を迎えました。いろいろと話をした後、お風呂に入って眠る時間となりました。
僕の胸は張り裂けんばかり、好きな人と過ごす夜…。
いろいろなことを考えました。僕が好きだという気持ちは大きくなるばかり…。
僕は大きなソファーで眠って、友達はベッドで寝息を立てている。僕の気持ちは知らない。
でも、何事もなく、遠い町での夜は深まっていきました。
僕は、ちゃんと気持ちを伝える事ができなかった。
踏み切りの警告音と車が通り過ぎる音が部屋に響く…。
一睡も出来ないまま、僕は朝を迎えました。
朝、その遠い町では雨が降っていました。静かな雨…。
簡単な朝ご飯をつくってもらって、一緒に食べた朝。
テレビのニュースを見ながら、世間話をした。テレビからは聞き慣れた声が流れていました。
旅立ちの時。僕は高速バスで大阪方面へ向かうことになっていました。
高速バスのバス停。雨が降りしきる。傘を差しても、もう雨から逃れる事ができないほどの雨。
友達は、ちょっと心配そうな顔をして、僕の事を見ている。
僕は、思いを伝えようと機会を探っている。しばらく無言の時が過ぎる…。
高速バスのバス停に、バスが来る。
僕は、勇気を振り絞って「また会いたいね、またね…」と言って、笑って握手するのが精一杯だった。
それだけで心臓が激しく脈打った。それ以上の事は何も出来なかった、何も言えなかった。
高速バスから見える小さくなる友達の姿…。
高速バスの窓ガラスに走る雨粒が友達の姿を消していく。
僕の片思いは雨に消されていく。雨にすべて流されていく。
僕の瞳はどしゃ降りになり、心を濡らしていく。
忘れないといけない片思い…。雨は降り続く…。
雨は、その後2.3日降り続いた後、ようやく止んだ。
それから、僕は自分自身でこの片思いを終わらせた。
それから友達とは、もう会うことはなかった。何回か手紙は書いたけど…。
今、どうしているかも知らない…。
友達は、おそらく大好きな仕事を、今も頑張っていると思う。
雨と片思い…。
辛くて、切なくて、寂しくて、悲しかった片思い…。
今でも心震える思い出…。大切な思い出…。
雨を見て、人を愛する事、これからも大切にしたいと思った木曜日。
また…