こんにちわ。

佐賀市で「ICT教育×eスポーツ×遊び場」を運営しているDigitalStudyです。

子供向けプログラミング+パソコン教室や大人向けパソコン教室など各種デジタル教育の教室を運営しています。

 

私、実は元ゲーセン店長でして、20年ほどゲームセンター業界に従事していました。

 

その時のノウハウの集大成が今に繋がっているんですが、ゲームセンターで働くメリットとして「論理的思考が強くなる」という部分があります。

 

これはプログラミング教室のうたい文句の一つでもありますが、ゲーセンを退職してボウリング、アイススケート、マルシェ、カフェ、バッティグセンターなど様々な業務に携わる中で、「あ、私って他の人より突出してる所があったんだ」とゲーセンを辞めてからわかった事が多々ありました。

 

ゲーセンの中にいると当たり前だと思ってましたが、外に出たら明らかに異常なんだなと気づきました。

 

 

 

 

  人の話を鵜呑みにしない

クレーンゲームでは毎日のごとく「取れる取れない」のクレーム対応が発生するんですが、おおまか「5000円は使った」と言ってブチ切れる人はたいがい嘘ついてます。

 

というのも、毎日個別の機械の売上をチェックしてまして、明らかに5000円入ってない。

ヘタをすると500円も入ってないのに言って来られる方が当たり前のようにいます。

 

普通に考えれば1プレイ1分として、5000円使うには50分は最低でもそこに滞在しており、最低でも4回は両替に行くはずです。

スタッフが基本、コーナーを巡回して両替の回数をチェックしてまして、かつ防犯カメラで誰がどこでどれくらい滞在してお金を使っているのか?というのを常時見る仕事ですので、平均滞在時間が10~20分程度のコーナーに50分もドツボにはまってたらほぼ気づきます。

 

本当に5000円使って取れてないなら、こちらから逆にアシストの指示を出して取らせる方向の対応をしてます。

経験あるかもしれませんが、ドツボにはまっている時にスタッフから「調子はどうですか?」と声をかけられるのは、ちゃんと見ているからです。

 

 

また、何かしら機械が故障した際はお客様に状況をお伺いするんですが、こちらもまた、勘違い、誤解、よくわかってないという事で余計な情報やフワっとした表現、誇張などが入り混じってカオスを極めます。

 

というのも、そもそもお客様は「ゲームや機械に詳しくない」という事が前提で、かつそこに「説明するのが苦手」な人もいるわけですから、しょうがない事なんですよね。

 

ですので我々はお客様が答えやすいように、答えを誘導するように質問をしていくわけです。

しかし、この誘導、答えありきで誘導するとお客様がそこに引っ張られて全然結果が違う事になる事もあります。

 

ですので、基本お客様には「はい、いいえ」の二択で回答しやすいように質問を構成するわけです。

 

 

  クレーンゲームに100円を入れたけど動かない

お客様からの言葉はこれのみです。

 

ここから原因を特定していく作業に入るのですが、まず最初の質問は「100円をどこに入れましたか?」です。

 

一部のクレーンゲームは左右にプレイできるブースがあり、左のゲームをプレイするには左側にお金を入れるという機構になっており、稀に右でプレイする為に左側にお金を入れてしまっているパターンがあります。

 

「んな事ぁあるかい!!それくらいわかるわ!!」と突っ込まれそうですが、本当に結構な頻度で発生します。

お客様もわかってないわけではなく、フワっとした意識でよく見もせずにお金を入れてしまう傾向があり、知らないわけではなくて無意識に反対側にお金を入れてしまうケースがあるんですね。

 

 

その次に、「入れた100円は返却口に戻ってきましたか?」です。

 

入れた100円玉が機械の内部に落ちずに毎回返却口に戻って来る現象、経験ありませんか?

ジュース自販機などでも発生する現象で、これの原因は100円の読み取り部品の故障か、100円玉そのものが変形、一部欠損しているパターンです。

 

両替機に千円札を入れても押し戻されるなんて現象も、ほとんどは千円札自体の折れ曲がりが原因です。

 

 

こういった感じで、一つずつ可能性を除去する為に質問を深堀していく作業になります。

 

 

 

  悪意ある嘘のほが楽。勘違いが一番対応が難しい

ゲーセンあるあるで一番面倒な対応と言われているのが両替機のトラブルです。

 

これで一番多いのが、「500円玉を入れたら10円が出て来た」というパターンです。

 

まず最初の前提として、両替機の機械の構造上10円玉が排出される事は絶対にあり得ません。

 

お金を管理する際に大量の100円玉を計数機という機械を使って数えるのですが、まずここで10円玉は機械的に弾かれます。

この「弾く」という機構は目視やセンサーではなく、「形」です。

 

10円玉は100円玉より大きい形状をしており、100円玉に機構を合わせると100%詰まります。

小さな穴に大きな物を詰め込んでも入らないように、機構を通過できないんです。

 

また、両替機に100円玉を補充した後、同じように「形」「質量」を検知して100円玉は排出される為、10円玉が混じると100%詰まります。

 

ゲーセンの社員は全員この仕組みを理解していますので、このトラブルが発生した際に「またか…」となるわけです。

 

 

 

では、現実として目の前に10円があるのはなぜか?

 

 

目の前に10円玉があるから「10円が出て来た」という事をおっしゃられるわけですが、これが発生する可能性としては主に2パターンあります。

 

 

①自分の前に両替した人がたまたま10円を取り出し口に置いて、次の人が両替して取り出し口内で混ざった。

②500円を財布から取り出したつもりが10円を取り出してしまい、そのまま500円投入口に投入。

 もちろん両替されずにそのまま取り出し口に返却された。

 

 

このパターンです。

①も「んなわけあるかい!!何のために10円を置くんだ!!」となるんですが、ゲーセンって何度も財布からお金を出し入れする機会が非常に多くて、なんの気兼ねなしに財布の中の100円を取り出す時に10円玉も一緒に取ってしまって、手に持ち歩いちゃうケースが多いんです。

 

そのままの手で両替機を扱って10円を置いていっちゃうパターンですね。

 

私の担当したお店には両替機に防犯カメラを設置して、お客様のお金の出し入れを全て記録してたんですが、記録を調べると見事に前の方が10円玉を置いていってるんです。

 

 

②に関しても500円と10円を間違うはずがないと思うんですが、そもそも財布の中の小銭がいくらが何枚でいくらが何枚って、ほとんどの方が覚えてないんです。

 

で、上記と同じくカメラの記録を遡ると、一切ノールックで財布から10円を取り出し、硬貨を確認する事無くノールックで500円投入口に10円玉をダイブさせるわけです。

 

この状況だと、財布の中を確認してもらっても、元々小銭の構成を覚えてないわけですから、判別のしようがなくなるという形になります。

 

 

 

 

①②どちらにせよ、お客様に騙す悪意はないわけではありますが、「それはお客様の勘違いです」で回答してもほとんどの人が「俺が嘘ついとる言うんかお前は!?」という揉め事に発展するわけですね。

 

ですので、多少面倒でもお客様を一切否定せず、中のお金を全部取り出して、誤差がないかの確認を行い、誤差がない事で機械の不備がない事を証明するわけですね。

 

お客様の勘違いではあるけども、この作業で30分近く時間が取られるので、「あぁ…またか…」と我々は思うわけです。

全く意味がない作業に30分取られるのもやるせないですね。

 

 

  論理的思考がないとゲーセンはやってけない

上記のような事が日常茶飯事に発生し、一歩対応を間違えれば大クレームに発展しがちな業種だからこそ、論理的思考が求められるという事になります。

なので、他の業種に携わった際でも「元ゲーセン店員」はアルバイトでも「予測する能力」「察する能力」「人に説明する力」が総じて高いと思います。

 

そこにテレアポほどではないにしろ、日常的にクレーム対応に晒される業種でもありますので、「胆力」が異常に強いです。

 

コンビニ等で輩に絡まれてブチ切れる店員や、土下座させられている店員が晒されていたりしますが、何をどうやったらそういう結果になるのかね?と不思議でなりません。

 

土下座を要求されたら即警察を呼びますし、輩に絡まれたら退去を通告し、出て行かないなら警察を呼ぶまでです。

あんまりあっさり警察を呼ぶのでクレーマーも絡みにくいと思っているようでした。

 

クレーム慣れをしていない若者がよく起こす現象で、私は「ホワイトアウト」と勝手に名付けてますが、全く予想もしないクレームをいきなりブチ込まれて、頭が真っ白になって言葉が出なくなってしまい、体が硬直した状態になります。

言葉がうまく出ないので、さらに追い打ちで「なんか答えろや!!お前わかっとんのか!?」と被せられる事で、よりホワイトアウトが悪化して時間だけが経過していく姿を、よくツイッター等のクレーマー晒しで見かけます。

 

一度これに合うと、対接客がトラウマになってしまい、人生に大きな傷をつけてしまいます。

 

  ゲーセンに限らず論理的思考を養うと、こういった事に役に立つ

 

クレーマー対応などはゲーセンに限った話ではありません。

カスハラ対応はどの業種に行っても関わってくることですし、なんならお客様がいない工場などでは先輩や上司、後輩などもそれにあたるかもしれません。

 

論理的思考、論理的思考ってよく言うけど、それが一体何で、どこに具体的に役に立つのか?という一例として今回ゲーセンの話を混ぜ込みました。

 

 

 

 

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