空に大きな雲が浮かんでいます。

雲から、一滴の水が飛び出してきました。

「あっ!」

飛び出してきた水は、自分のしたことに驚いて大きな声を上げましたが、そのまま地面に向かって落ちていきます。

今日は夕方からみんなで雨になる予定でした。でも太陽は、まだ頭の上にあります。
飛び出した水は、間違えて予定よりずっと早く雨になってしまったのです。

「また、やってしまった・・・・」

飛び出した水は、この前も、予定よりずっと早く雨になってしまったばかりでした。

「またひとりぼっちか」

ひとり飛び出してしまった水は、悲しくなってきました。

それでも、どんどん地面は近くなります。
地面には、ひとりの男の子が歩いています。

飛び出した水は、一人ぼっちが悲しくて、とうとう泣き出してしました。
「みんな・・・さびしいよぉ」
それでも、どんどん地面は近づきます。

飛び出した水は、どんどんとその男の子に近づくと、その子のおでこにポツリとあたりました。
「?」
男の子は、空を見上げました。

すると、空から、突然大雨が降ってきたのでした。
男の子は、おどろくとあわてて走り出しました。

飛び出した水も、驚きました。
だって今日は、夕方から雨になる予定なのに、みんなが雨になって降ってきたからです。

「みんな・・・なんできたの?」
飛び出した水は、聞きました。

「お前がないてるからだろ」
みんなが答えます。

「みんなありがとう。」
飛び出した水は、笑って涙をぬぐいました。

男の子が家につくころ、もう雨はやんでいました。
そして空には、とてもきれいな虹がかかっていました。

みなさんも、天気予報が外れて、突然の雨に困ったことがありませんか?
もしかしたら、あわてんぼうの雨と、友達思いの雨がいたのかもしれませんね。。