どうも、ひとつのことが気になりだすと、
取り憑かれたように収集する癖がある。

ブログの記事にもしたが、
先月、杉浦日向子さん原作のアニメ映画「百日紅」を観た。

sarusuberi


それ以来、どうも日向子さんのことが頭から離れない。
今年の秋には「合葬」も実写映画で公開されるらしい。



原作の「百日紅」が読んでみたくなり、
ないものか?と、近所の古本屋へ頻繁に通う・・・が、ない。
古本屋だから仕方ないわいな、いつかめぐり合うだろう、
と、日向子さんの他の作品を探したら、
いろいろ見つかった。

取り憑かれた。

「杉浦日向子」の名前をみつけると、
手当たり次第に大人買い。
と言っても、すべて古本だから痛い出費にはならない。

「風流江戸雀」(新潮文庫)         「一日江戸人」(新潮文庫)

    



「ごくらくちんみ」(新潮文庫)     「大江戸美味草紙」(新潮文庫)

   



「お江戸でござる」(新潮文庫)
「うつくしく、やさしく、おろかなり ― 私の惚れた「江戸」」(ちくま文庫)

    



「二つ枕」(ちくま文庫)




古本屋でもぼちぼち揃う。

で、すっかり取り憑かれた。

毎晩、むさぼるように一気に読んで、気づくと朝。

こうなったらもう「百日紅」を手にしなくては、の思いで、
古本屋ではなく、大きな書店へ。

映画化されたばかりということもあり、平積みされてた。

「百日紅 上・下」(ちくま文庫)
   



この飄々とした群像に憧れのタメ息。

何事もない平凡な毎日の退屈さを謳歌する心の豊かさ。
産まれ生きて死ぬことの達観。

これは「毒」だ。

みごと日向子さんが仕掛けた「毒」にやられてしまった。


残念ながら日向子さんとは生前の面識はなかったが、
追悼の曲だけは捧げることが出来た。
そして今、わたしは毎日、日向子さんと対話している。
その「毒」に麻痺し痙攣しながら。

そのシビレがとても心地いい。