
中国で仮想通貨に対する規制が強まる中、ビットコイン価格もそれに影響を受けて不安定に推移しています。このままビットコインを持っていても大丈夫でしょうか?
ビットコインが将来的に確実に進展していくのであれば持っていても後に価格が回復し利益が得られようになるでしょうが、そもそもビットコインは将来に渡って永続し得るのでしょうか?
今日はビットコインの持続可能性について考察してみたいと思います。
トランザクション処理速度
ビットコインの社会的な進展に伴い、ビットコインの送金(トランザクション)の頻度が高くなってきました。つい半年ぐらい前には、その限界である7回/秒に到達したと言われ、改めて限界が意識されビットコイン価格が大幅に暴落しました。
その後、8月1日にはトランザクション処理速度を改善するためのハードフォークがありました。11月1日にも更なる改善のためのアップデートがある予定です。しかしながら、これらをもってもトランザクション処理速度はたかだか数十回/秒程度で、全世界で使われることを考えると十分とは言えず、今後のボトルネックとなることは明らかです。
例えばVISAなどクレジットカードのトランザクション処理速度は数千回/秒と非常に高速です。トランザクション処理速度はビットコインの今後の大きな課題の一つでしょう。
ハッシュパワー51%問題
ビットコインは、世界各所で行われているマイニングという処理によりそのネットワークが維持されています。マイニングにもコストがかかるため、マイニングを行うと対価としてビットコインで報酬が与えられます。このマイニングコストの主なものは演算ハードウエアを動かすための電気代です。この電気代は各国で大きく異なり、電気代の安い地域の方が利益がでるためそこにマイニング施設が集中する傾向にあります。これが行き過ぎるとマイニングを行う一つの組織がビットコインネットワーク全体のハッシュパワー(マイニング演算能力)の50%超を持つことが起き得ます。

そうなると、その50%超のハッシュパワーを持つ組織は過去に遡ってビットコインの記録簿(ブロックチェーン)を書き換えることができ、つまり不正に利益を得ることが可能になります。このようなことが起きるともはやビットコインの信用度は落ち、利用者が離れ、ビットコイン価格は暴落すると考えられます。
ただし50%近くものハッシュパワーを持つ者にとっても、ビットコインの崩壊は望まないでしょう。たとえ50%超になったとしてもそれを隠し、公言しない可能性があります。実際にそうなってみないと問題が発生するのかどうかグレーな部分です。
消費電力の増加

世界中で行われているビットコインのマイニングによる消費電力は現在のネットワークハッシュレート9,000PH/sから逆算すると、約900MWと一般家庭約100万戸分に相当する電力を消費していることがわかります。
実はこの消費電力はビットコイン価格に比例して上昇する傾向にあります。というのもマイニング報酬はビットコインで貰うため、ビットコイン価格が上昇すると実質的に報酬も増え、ネットワーク全体でその分電力をより多く消費しても利益がでる状態になり、マイニング参加者が増えるためです。
ビットコインは過去2年間に約15倍の価格上昇があり、マイニングにかかっている消費電力もそれ相応に多くなりました。今後もビットコイン価格が上昇すると消費電力もさらに上昇するため、CO2排出問題に発展する可能性があります。最悪の場合、世界的にビットコインに規制がかけられることもあるのではないでしょうか。
量子コンピュータ耐性

ビットコインを初めとする仮想通貨の多くはRSA公開暗号方式に基づいてそのシステムが成り立っています。RSA公開暗号方式は現在のコンピュータでは数万年といった天文学的時間を掛けないと解けないような数学問題の難易度の高さをもって安全性を確保しています。しかし、将来実用化されると考えられる量子コンピュータを利用すると、こうした難易度の高い数学問題も数分で解けてしまい、RSA公開暗号方式が意味を成さなくなると言われています。
ところでこのRSA公開暗号方式は、今のインターネットで広く用いられているセキュアな通信プロトコルSSLにも使われています。つまり、量子コンピュータによるこの問題は仮想通貨以前にインターネット自体の課題でもあると言えるしょう。こうした量子コンピュータに対しては格子暗号など耐性のある暗号アルゴリズムも提案されているため、まったく打ち手が無いわけではありません。今後の動向を見守りたいと思います。
まとめ
このようにビットコインには大きな課題がいくつかあります。しかし、仮想通貨の中でも最も普及している通貨であり、今後も暫くはその地位は動かないでしょう。
一方で、こうした課題を解決するイーサリアムなどのアルトコインも存在します。ビットコインのアップデートだでけ上記問題に対処できない場合はこのようなアルトコインがその価値を見直され、活躍の場が与えられるのではないでしょうか。
