Q. 公園や児童館に行くと
なかなかみんなの輪の中へ入れません。
これは個性なのでしょうか?
A. 個性の元となる「気質(temperment)」についての研究を長年続ける精神科医トーマス&チェス夫妻は、以下にあげる「3つの個性タイプ」を提唱しています。
1.外界に慣れやすいタイプ
周りの物事に対し穏やかな反応を見せ、順応性があり、新しい状況に出会っても、立ち止まるより踏み出していきます。約40%の子どもが、この個性タイプといわれています。
2.外界にゆっくりと慣れるタイプ。
周りが気づかないような細部まで敏感に感じ取ることがあり、新しいことに出会うと、行動に踏み出すのに時間がかかる場合があります。「引っ込み思案」と感じることもあるでしょう。約15%の子どもがあてはまるといわれます。
3.外界に慣れにくいタイプ
新しい物事や思い通りに行かないことに対し、癇癪を起こすなど、強烈に反発する傾向にあります。約10%の子どもに見られるといいます。
残りの役35%の子どもは、上の1.2.3のタイプにスッポリと当てはまると言うよりは、それぞれの傾向を合わせ持つとされます。
お子さんが慎重に行動するのは、周りの大多数が気づかない細部までも感じ取る「感受性の豊かさ」を持っているためではないでしょうか。
引っ込み思案に思える行動は、じっくりと観察し、様々な感覚や情報の溢れる「活発な内面世界」を作っているはずです。それを表現する時期が来るのを楽しみに待ちましょう
芸術家や研究者に必要な個性です
対応のカギは、できる範囲で、その子が自身のペースで環境に順応するのを許してやることです。
無理強いせず、また「嫌がるから」と新しい物事を試す機会を取り除くのではなく、慣れない状況でも、少しずつ前へと踏み出す姿勢を励ましてやりましょう
親とタイプが違う場合、理解しにくい部分もありますが、いずれ違いを楽しめるようになります。
子どもを信じて暖かく見守り、素敵な個性に花を咲かせましょう