七面鳥の各国での呼び方 | 安濃爾鱒のノート

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なんというか、私の「ノート」です。

 七面鳥は、各国でどのように呼ばれているか、これがちょっと面白いことになっている。

 

 七面鳥は、英語で七面鳥は "turkey"(「ターキー」) これは、「トルコ」(:「トルコ共和国」"Türkiye Cumhuriyeti" の「トルコ」) という意味もある。

 では、そのトルコで七面鳥は 何と呼ばれているのか。 

 トルコ語で 七面鳥は "hindi" (「ヒンディー」)。これはインドという意味もある。 

 では、そのインドで 七面鳥は 何と呼ばれているのか。 

 インドの公用語のヒンディー語で七面鳥は "पीरू"、これは元々、「ペルー」("Perú")を意味するポルトガル語 "peru" から来ている。ポルトガル語では、国名のペルー("perú") も 七面鳥も "peru" 。

 

 では、そのペルー(Perú)では、七面鳥を何と呼んでいるのか?また別の国の名前で呼んでいるのだろうか?

 

 私は 嘗て ペルー(Perú) に住んでいたことがあるのだが、周りの人(:普段 基本 スペイン語のみを話す人達)は、七面鳥を "pavo" 「パボ」と呼んでいた。( 雌は "pava"「パバ」。 ) ペルーに限らず、スペイン語圏(:スペインと、ラテンアメリカ諸国の多く)では、七面鳥は "pavo" と呼んでいる。

 手元の小学館西和中辞典によると、"pavo" の語源は、孔雀を意味するラテン語の "pâvus" とのこと。

 (因みに、スペイン語で「孔雀」は "pavo real" 「パボ レアル」。例えば、"águila" は「鷲」 "águila real" は「大鷲」 だから、七面鳥:"pavo" に対し、孔雀:"pavo real" というのは、「『格上』の pavo」 という様な意味になる。スペイン語の "real" は、英語の "real" に対応するものではなく、"royal" に近い。)

 "pavo" に 他の国を指す意味はない。

 

 ペルー(Perú) 辺りに住む先住民の言葉:ケチュア語では七面鳥はなんというか?も調べたいところだが、ネットで使える幾つかの スペイン語→ケチュア語オンライン辞書で調べてみたが、出てこなかった。 

 七面鳥は、元々は北米原産なので、南北米大陸を広く支配したスペイン人が、北米(México か?) からペルー(perú) に持ち込んだのかもしれない。だから、ケチュア語には七面鳥を指す独自の表現はないのだろう。

 また、México の先住民のアステカ人の言葉:ナワトル語では、七面鳥は ueixolotl と言う。

 

 新大陸に来たスペイン人が七面鳥に出会った。地元の人達は ueixolotl と呼んでいるが、自分達には発音し難いので、「これは 新大陸の孔雀だ」と考えて "pavo" と呼ぶことにした。その後、孔雀も七面鳥も "pavo" では紛らわしいので、七面鳥は "pavo" 孔雀は "pavo real" と呼ぶことにした、ということではないのだろうか?

 

 ポルトガル語で七面鳥を "peru" と呼ぶのは、北米原産の七面鳥が スペイン人に よって 先ず 副王領(Virreinato)が在ったペルー(Perú)に持ち込まれて それから(ペルー(Perú) 領のイキトス(Iquitos) からアマゾン川を下って?)ブラジルに伝わったということで、ブラジルに居たポルトガル人・ブラジル人は、「ペルーから来た新種の鳥」という意味で "peru" と呼ぶようになった、ということだったのかもしれない。

( 「副王領」(Virreinato)というのは、スペイン本国から遠く離れたスペインの植民地で、その統治を「副王」(Virrey)に任した領地。「副王」(Virrey)というのは、日本史で例えると、坂上田村麿の時代の「征夷大将軍」とか 室町時代の「関東管領」の様なもの)

 

 インド人は、ポルトガル人がこれを「ペルー」と呼んでいるから、自分らも「ペルー」と呼ぶことにしたのだろう。或いは、帆船の時代、太平洋を横断するには、東行き(:アジア→米大陸)の場合は、偏西風を利用するので北半球を通り、西行き(:アジア←米大陸)の場合は、貿易風を利用する為に南半球を通るので、米大陸からアジアにやってきた船は「ペルー(Perú) から来た船」で、七面鳥はその船で運び込まれたものということで「ペルー」と呼ばれたのかもしれない。そして、インドからトルコに伝わった。

 

 Wikipedia によると「トルコを意味する名前が北米原産の鳥に付けられている理由は、トルコ経由で欧州に伝来したホロホロチョウとの混同によるもの。」とのこと。

 

 

 「胡瓜」「胡椒」「胡麻」など「胡」の字が付くものは「ペルシャ とか その辺、シルクロードのあっち側から伝わったもの」という意味、とかいうことを、昔読んだように思うが、うろ覚えで書いているので、間違えていたら、ゴメンナサイ。