生まれて初めて喧嘩した
貴女にとっては些細なことかもしれない
だけど
私にとっては
自立するための第一歩だった
貴女が寝るのが遅くなるから
自分でやろうと思った
いつまでも私には頼れないでしょ
そう言ったのは貴女じゃないか
だからやろうと思った
もう少し待って欲しいのに
ちゃんと自分で治すから
見ていて欲しいのに
腕は治したじゃないか
自分の身体なんだから
自分でやらせて欲しいのに
裏切りの意味もその残酷さも
誰よりも理解していた筈なのに
誰よりも体感してきた筈なのに
どうしてこうなってしまったのだろう
やはりこの世界は
純粋な貴方たちが生きるには
あまりに汚れ過ぎている
自分が死ぬ夢を見た
最期にいたのはあの人だった
死んだあとも気付いてくれた
嬉しかった
今までに会った人たちにお礼がいえない
そう思った
アレをやってない
コレもやってない
アレはどうしょう
アイツはどうしてるだろう
色々ぐるぐるぐるぐる考えた
寝たくないと思った
寝たら消えて仕舞うんじゃないか
大好きな人たちに会えなくなるのが
嫌だった

目が覚めても涙が止まらなかった
艦隊が沈んだ
日は墜ち始めたのだ!
波がある
其は感じ難い物で自然だとか時代だとか
波に乗る
多くの人は乗る
乗るつもりが無くても乗ってしまう
或は乗せられる
波から降りるのは至難の技だ
流れに逆らって押し戻されて
嫌な目で見られ
どつかれ
蹴られ
たおされ
踏まれ
藻屑と成ってしまう
それでも
足掻き続ける人がいる
足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて
ふと気付くと
浮いている
波を超越し波に逆らい駆け出して
嵐を起こし
既存の波をかき消し
乗る波を失った者は惑う
乗らぬ波を消した人は進む
やがて
嵐は新たな波を作り出す
者どもはすがる
新たな波に
繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し
波が出来て嵐が起こり波が出来て嵐が起こり波が出来て嵐が起こり波が出来て嵐が起こる

ひたすら
繰り返しているのだ
あいしている
ぼくは
ぼくのまわりに いるひと
みんな みんな
あいしているよ

つたない かもしれない
おさない かもしれない
だけれど
ぼくは
あいしているよ

あいしているひとが いるって
きっときっと
とてもしあわせな ことなんだ
だってぼくはこんなにも
わらっているんだ
此れ以上に悔しき事はあるでせうか
私にはしたい事があつて
其れを出来る空間があつて
私は其の空間にゐて
さあ、いざやらむ
と意気込む度に
此れは駄目だ
其れはいかぬ
あれをし給へ
嗚呼、酷く目眩がする
悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい
私はしたいのです
私の何がいけないのでせうか
私は私なりに
精一杯
貴方の期待にそうやうに
私の中の私を表現しやうと
えっちらほっちら
しているのです
悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて
掌が酷く震えます
嗚呼、目の前が霞んできました
此れ以上に悲しき事はあるでせうか
犬が嫌いな人がいれば
猫が嫌いな人もいる
国語が嫌いな人がいれば
算数が嫌いな人もいる
晴が嫌いな人がいれば
雨が嫌いな人もいる
子供が嫌いな人がいれば
老人が嫌いな人もいる
昼が嫌いな人がいれば
夜が嫌いな人もいる
そうやって、みんな嫌いなものがある
人生ってそんなモノでしょう
貴方の言葉を疑うなど
微塵も考えなかった
貴方の言葉を疑う
彼がただ憎かった
何故わからないのか
何故理解しないのか
何故逆らうのか
何故自らに泥を塗るのか
ひたすらひたすら
彼が憎かった
私にとって貴方の言葉は絶対で
貴方の言葉こそが世界の真理で
そして、いま
貴方が居なくなった世界
未だに私は貴方の言葉を信じていて
貴方の言葉は私の脳髄で
生々しく響き続けていた
貴方の望みを叶えるため
憎い筈の彼を切り裂いても
充足感は得られず
虚無感が全てを支配した
嗚呼、そうか
彼が居ない
私は初めて貴方の言葉を疑った
僕らはハンプティ・ダンプティ
塀の上の卵
いつかはゴトリと逆さまに堕ちる
グシャリと割れたら
何が生まれるのか
僕らはハンプティ・ダンプティ
壊れない愛情なんてない