ミュージシャン・ポピュラー音楽講師のヨッシー佐藤です。
前回の記事で、DAWソフトではMIDIデータとオーディオデータの2種類のデータを扱うという内容をご紹介しました。
そこで今回はMIDIデータについて詳しく見てきたいと思います。
MIDIデータは演奏情報ですが、実際のところはどうなのでしょう?
というわけで今回はBand in a Boxの画面を見ながら、少しご紹介をしたいと思います。
Band in a Boxのコードを入力するだけでアレンジをしてくれる機能はMIDIデータがベースになっています。
実際に「C7-F7」というコード進行を入力して、スタイルは「ファンク」を選び、再生ボタンを押します。
この段階で、ピアノ、ギター、ベース、ドラムなどのフレーズが一瞬にして作成されます。
Band in a Boxのいいところはリアリティの再現にあります。
つまり、実際のプロの演奏をデータ化して、アレンジしているのです。
なので、MIDIデータをちょっとみるだけでめちゃめちゃヒントがあるんです。
では実際に、ノーテーションウィンドウ(譜面ウィンドウ)を開き、ベースの旋律を見てみましょう。
次のような譜面が出てきます。
譜面上部の数字が書いてあるところは、ベースのTAB譜と呼ばれる譜面です。
4本線はベースの何の弦を使うのか?
数字はフレット(指でおさえる位置)を表しています。
ピアノロールウィンドウというDAWソフトならではの画面を見てみましょう。
(今回はMIDIのご紹介なので、詳しい操作方法については、後日また記事に書かせていただきますね。)
縦軸がピアノでいうところの何の音を弾いているか?
横軸が、どのタイミングで音を鳴らし、どのタイミングで音を切っているか?
を表しています。
さらに、下部の棒グラフに注目してみましょう。
これは、鳴らしたそれぞれの音の強さを表しています。
ここで改めて譜面とピアノロールウィンドウで表示されている情報を見比べてみてください。
何か違いに気づきましたか?
よーく、見比べてみてくださいね。
では、ヒントを出しますね。
では行ってみましょう。
まずは写真の赤マル部分に注目してみてください。
譜面では四分音符+16分音符の長さになっていますが、実際の演奏は16分音符+32分音符の長さになっています。
長さが譜面と実際の演奏では違うところが他にもありますので、是非探してみてくださいね。
では次に青マル部分に注目してみましょう。
譜面ではアクセント記号などは出てきませんが、実際の演奏では音の強弱にも変化があります。
こうした微妙な差異が、ポピュラー音楽のグルーブを作っているんです。
では、なんで実際の演奏ではこうしているのに、ポピュラー音楽では譜面で正確に表記しないんですか?という疑問がわいてきます。
ということで、実際の演奏通りの譜面を作ってみましたので、得意な方は是非読譜してみましょう。
ポピュラー音楽は譜面にするとこんなことになるんです。
これがポピュラー音楽で、譜面があくまでもガイドになる理由です。
プロで第1線で活躍されているベーシストはこうした微妙な差異がグルーブを作っていることを知っているので、無意識に音の長さを32分音符、64分音符の領域で調節しているんです。
こうした譜面には表されない部分を表現するために、色々な音楽を聞いてコピーしたり練習したりしているんです。
というわけで、今回は演奏情報であるMIDIデータは何か?そしてそこから学べることをご紹介させていただきました。
一見遊んでいるように見えるポピュラー音楽ですが、実際はこうした奥深さがあります。
最後までお読み下さりありがとうございました。