
クラインセルト子爵領の復興は進み、ソラの施策で領民の生活水準は王国の平均に届く程となる。
しかし、ソラの優秀さを相談役として側で眺めているしかできないチャフの苦悩は度合いを深めるばかり。
根深い劣等感を察してはいるが、だからこそ能動的にそれを解消する事をソラはできない。
そんな折り、王都に召喚されたソラとチャフの前に現れたのは剛毅さを誇るシドルバー伯爵だった。
世界に新たな一歩を記す第4巻。
再度の王都行からチャフvsフェリクス、布騒動、レウル来訪までの話。
とうとうソラの最大の敵が直接的に敵対してくる展開。
一つひとつの山でなく、多面的に状況が進行するこのシリーズ。
それぞれに命題やテーゼが内包されている。
チャフ絡みの問題で描かれていた命題は自分が「正義のものさし」と呼んでいるそれ。
ソラのやり方が絶対的な正解ではないし、チャフのやり方が完全な間違いでもない。
常に流動する状況の中で完璧な答えなど無いこの命題に自分なりの答えを描く一節は純粋にすごいと思った。
音波兵器シドルバー(笑)。