#食で健康に
捨てるのはもったいない!ナスのヘタに含まれる注目の成分とは【管理栄養士が解説】/yoga
・ヘタに含まれる天然成分「9-oxo-ODAs」がHPV関連疾患→子宮頸がんに有効な可能性(動物実験)
・ナス自体、抗酸化成分豊富に含む

https://yogajournal.jp/29015

【記事の概要(所要1分)】
普段は切り落として捨ててしまうナスのヘタですが、最近の研究で健康効果が注目されています。

名古屋大学の研究では、ヘタに含まれる天然成分「9-oxo-ODAs」が、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患、とくに子宮頸がんに対して有効な可能性を示し、がん細胞の自死を誘導する作用や動物実験での抗がん効果も確認されました。

ナス自体も皮にはアントシアニン、果肉にはクロロゲン酸といった抗酸化成分が豊富で、丸ごと食べることで健康効果が高まると考えられます。調理の際はトゲのあるガクを取り除き、固いヘタ部分は加熱して炒め物や味噌汁に使うと食べやすいです。効果の詳細は今後の研究次第ですが、これまで捨てていた部分を工夫して取り入れることで、健康維持に役立つ可能性があります。

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名古屋大チームによる、なすのへたに関する研究は以前とりあげさせていただきましたから、私もよく覚えています。

HPV陽性の子宮頸がん細胞において、増殖抑制とアポトーシスの誘導が見られたことが報告されています。
また、細胞周期、P53経路の変化など、何がその効果に関与しているかまで見出されているようです。
https://www.nature.com/articles/s41598-023-44365-3?utm_source=chatgpt.com

更に、同系統化合物が卵巣がん細胞など、他のがん細胞系でもアポトーシス誘導が報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25724148/

さて、このなすのへたに関する研究ですが、現状どのようになっているかというと、残念ながらヒトでの効果はまだ確認されていません。

がんへの治療効果を確認するために、本格的な治験を実施するのはハードルがかなり高くなります。
もし、効果があらわれない場合には致命的ですから。

ではこの記事は、単なるちょうちん記事で意味はないのかと言うと、私はそうは思いません。

食は、味の楽しみだけではなく、健康増進への楽しみでもあるからです。

なすそのものが、皮に含まれるポリフェノールによって活性酸素消去や脂質過酸化抑制作用が強いことは、古くから知られることです。
また果肉にも実は、抗炎症やアポトーシス誘導による抗腫瘍メカニズムが存在しているとの報告が多数の研究により示唆されています。
更に、食物繊維が便秘対策になります。
そして、なずは水分を多く含みますので、口内炎などがあっても、比較的摂取しやすい食品だと言えます。

つまり、がん治療中の方が、味の楽しみとしても、健康増進への楽しみとしても、摂取するのにとても向くものの一つだろうと、私は思います。
へたも食べてしまうというのは、ちょっとした期待とかお守り程度のものかも知れませんが。

キャベツやブロッコリーに代表されるように、体に良いよ、ということがわかっている食品は数多くあります。
ただそればかり食べているわけにもいきませんから、なすもまたそのローテーションに入れて、食されるのが良いと思います。