#多発性骨髄腫
多発性骨髄腫と共に明るい未来を生きる:新薬「タービー」の登場とその意義/オンコロ
・奏効率が従来30%から70%超に改善、完全奏効3割以上(日本人ではほぼ半数)
・週1または隔週投与
・余命3年宣告から12年生存中例
https://oncolo.jp/news/250909ra02
【記事の概要(所要1分)】
多発性骨髄腫は再発を繰り返し、標準治療を使い切った後は選択肢が乏しくなる難しい病気ですが、そんな中で2025年8月に新しく登場した二重特異性抗体「タービー(一般名トアルクエタマブ)」は、大きな希望の光として注目されています。
これまでの二重特異性抗体が骨髄腫細胞のBCMAを標的としていたのに対し、タービーは世界で初めてGPRC5Dを標的とし、T細胞のCD3と結びつけてがんを攻撃する仕組みを持ちます。
臨床試験では奏効率が70%を超え、従来の約30%を大きく上回り、しかも完全奏効に至る患者が3割以上(日本人ではほぼ半数)という深い効果も示されました。
週1回または隔週の投与が可能で、CAR-T療法の適応外の人やBCMA標的治療後の再発にも使える柔軟性があり、今後の治療の幅を広げる存在となっています。
副作用として味覚障害や皮膚・爪のトラブルはあるものの、感染症リスクが比較的抑えやすく、安全性にも工夫が見られます。
セミナーでは、実際に再発後も治療を続ける平山美穂さんが登壇し、診断時は絶望を感じたものの「治療を続ければ新薬の恩恵を受けられる」との医師の言葉に支えられてきた経験を語り、新薬登場は命に直結する希望であり、治療の励みになると強調しました。
「余命3年」と言われてからすでに12年、仕事や趣味を楽しみながら生きる今、「平均寿命まで生きたい」という新しい願いを持てるようになったと語り、同じ患者への力強いメッセージを送りました。