#がん治療研究
腹膜転移型胃がんに治療効果を示すmRNAワクチンを開発 免疫チェックポイント阻害剤と併用する治療法の確立に期待/近畿大学
・マウス実験で強力な治療効果→腫瘍消失・転移予防
・他の難治性がんにも適用が期待できる

https://newscast.jp/news/3377657

近畿大学と東京大学などの研究グループは、mRNAワクチンと免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体)を併用することで、腹膜転移を伴う進行胃がんに強力な治療効果を示すことを、マウス実験で世界で初めて明らかにしました。

この新しい治療法では、がん細胞だけが持つ「ネオアンチゲン」という目印を標的としたmRNAワクチンを開発し、それを脂質ナノ粒子(LNP)に包んで体内に届けます。これにより、がんを特異的に攻撃するキラーT細胞が活性化され、がんの拡がりを防ぎ、腫瘍の消失に成功しました。

従来の治療法では効果が限られていた腹膜転移型胃がんに対し、免疫の力を引き出す画期的なアプローチとして注目されます。今後、このmRNA技術を個別化がんワクチンとして応用し、他の難治性がんにも広げていくことで、新たな免疫療法の確立が期待されています。

現在治療中の患者にとって、「これまで治療が難しかったタイプのがんにも、新しい希望が見えてきた」といえる前向きな研究成果と言えます。