#がん治療研究
「がんになっても日常生活が送れている」 自らもステージ4の医師が実践する「がん共存療法」の確かな可能性 「標準治療の中央値を大きく超える生存期間」の患者も/デイリー新潮
・食事+少量抗がん剤による療法
・従来より治療費大幅軽減
・現在は小規模試験
https://www.dailyshincho.jp/article/2025/07140556/#goog_rewarded
医師でもある山崎章郎さん(ステージ4の大腸がん)が、標準治療の代替・補完として考案した「がん共存療法」は、副作用が少なく日常生活を維持しながらがんを抑える新アプローチです。糖質を抑えたケトン食、糖代謝抑制薬メトホルミン、ビタミンDやEPAの併用、さらにクエン酸療法、少量抗がん剤、アルカリ療法を組み合わせた「MDE糖質制限ケトン食」を中心に実践。初回の臨床試験では、標準治療を受けられなかった4人のステージ4大腸がん患者のうち、3人が無増悪生存期間を延長し、日常生活も維持されました。生存期間は標準的な抗がん剤単独の約2倍に達し、治療費も従来より大幅に削減。身体に優しく、質も費用も安心な治療として、今後更なる規模の大きな臨床研究が期待されています。
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ずっと注目している治験です。
食事療法とメトホルミンや少量の抗がん剤を使用することで、がんを完全に無くすのではなく、おとなしくさせたまま生存し続けよう(つまり、がんと共存)というものです。
この療法は、標準治療を否定して食事療法を頑張っていこう、というような単純なものではありません。
ステージ4というがんが進行してしまった場合、がんを完全に消滅させてしまうことは難しくなります。
その時に、現在の標準治療は、基本的には、抗がん剤を使用して出来るだけがんを成長させないようにすることが最終手段となります。
随分と副作用がましになったとは言え、抗がん剤の厳しさは相変わらずであり、がんを殺傷すると同時に健常な体にも悪影響を及ぼしてしまい、いわゆるQOLが悪化したり、最悪の場合は、がんではない原因で死亡してしまうこともあります。
この、消滅させることが出来ないがんと共存しながら、良好なQOLを保って、出来るだけ長く生きようというものがこの「がん共存療法」と言えます。
山崎医師が以前語っておられたことが印象的だったのですが、抗がん剤を中止した途端に体調が良くなって元気になったんだと。
そして今回、ついに標準治療を継続した場合の無増悪生存期間の中央値を、このがん共存療法を実施中の患者さんが各ケースで突破したとのことで驚きのあるものです。しかも、実質、かなり超えていってるんだと。
ただし、全ての方で転移病巣の増大が見られていますから、いずれは病状悪化ということにあるけれど、現在もQOLは保って日常生活を送っているとのことです。
現在はあくまで小規模試験ですが、継続的に実施することの意義を示すに十分な結果が得られたのだと思っています。
命に関わる試験ですから、大規模試験へと進むための困難は予想されますが、がんを持ちながらもどう生きるかという点についてだけでなく、がんの進行を遅らせると言う点、つまり効果についても期待できるものとなってきましたから、希望が持てます。