#がん治療
進行した腫瘍に抗がん剤と油性造影剤注入 肝がん独自療法全国に発信へ 久留米大病院の「NewFP療法」治療420件、奏功率7割/西日本新聞
●全身への副作用を抑え高い治療効果
●保険適用-標準治療奏効しない進行肝細胞がん 他
参考サイト→https://cancer-heartsupport.com/hepaticartery-hcc/
「New FP療法」は、進行肝細胞がん(HCC)に対する肝動注化学療法(HAIC)の一種で、特に門脈や肝静脈への腫瘍浸潤を伴う症例に効果が高いとされています。
New FP療法は、以下の2つの抗がん剤を組み合わせて使用します。
-シスプラチン(CDDP):微粉末化された製剤をリピオドール(造影剤)と混合し、肝動脈を通じて投与
-5-FU(フルオロウラシル):持続的に肝動脈から注入
この治療法は、肝臓内のがん組織に直接抗がん剤を届けることで、全身への副作用を抑えつつ高い治療効果を狙うものです。
●治療効果と適応症
特に以下のような症例に対して有効とされています
-門脈や肝静脈への腫瘍浸潤を伴う進行肝細胞がん
-肝動脈化学塞栓療法(TACE)が効果を示さなかった症例
一部の研究では、New FP療法の奏効率(治療に対する反応率)は70%以上と報告されており、他の治療法と比較して高い効果が示されています。
●保険適用について
New FP療法は日本国内で保険適用されています。ただし、以下のような条件が考慮される場合があります。
-標準治療が効果を示さなかった進行肝細胞がん
-肝機能が比較的良好な患者(Child-Pugh分類AまたはB)
具体的な適用条件や治療計画については、担当医師と相談することが重要です。
●治療可能な医療機関
専門的な技術と設備を要するため、施行できる医療機関は限られています。
例えば、仙台厚生病院では、簡易リザーバーを用いたNew FP療法を実施しており、短期入院での治療が可能です。
●注意点
高い治療効果が期待される一方で、副作用やリスクも存在します。
-発熱、肝機能の一時的な悪化、血尿などが報告されています。
-技術的要求:治療にはカテーテル技術と肝疾患に関する深い知識が必要であり、経験豊富な医療チームによる施行が求められます。