#がん治療研究
血管をターゲットに! TGF-β/CD44抑制でがん血行性転移を阻止~がん転移の予防・治療への応用に期待/東京薬科大学
●メラノーママウスにて肺転移を劇的に阻止確認
●肺以外の転移も抑制出来る可能性
●転移予防薬への応用を展望

 

TGF-βというのは、がん治療に関する研究では時折見かけるものですが、その正体についてはまだ未解明の部分が多いようです。

 

こちらの東京薬科大学さんの研究が画期的なのは、血管内で発現するTGF-βを抑えるという処置方法です。

 

実はTGF-βには、初期がん細胞のうちは、細胞の増殖を抑える作用もあるとされていたり、そもそも生体を維持するための機能にも関係しているものですから、ただ発現を阻害すればよいというものではないはずです。リスクがあまりに大きくなりますね。

 

こちらの研究は、要は、転移先である肺に先回りしてその血管でTGF-βを抑えようというもので、ピンポイント阻害なわけです。

 

現段階ではマウスでの結果ですが、ピンポイントで阻害するという方法はまず成功していると言って良いと思います。

 

画期的なだけに、ものになるとしても時間がかかる技術だとは思います。

ただ、転移が抑えられるのだとすれば、それはもうがん治療においては強く要望される事柄ですから、強く研究の進展に期待します。