#トリプルネガティブ
トリネガ乳がんに対するDNAワクチンのP1試験、無再発生存率87.5%-米研究/医療NEWS
●ワクチン接種18名(補助化学療法後がん残存あり、非転移性TNBC)中16名が接種後3年間再発無し
●有害事象無し

 

米国で実施された小規模試験の結果ですが、有望な結果と言えます。

 

標準治療のみの場合の3年後無再発生存率は推測50%程度とのことなので、かなりの奏効です。

 

こちらの治験で使用されているワクチンは、患者さんそれぞれのネオアンチゲン(変異を起こしたタンパク質)を特定し、それを組み込んだDNAワクチンで、それを目印として体内にある免疫系がいっせいにがん細胞に攻撃を仕掛ける、というようなものです。

 

個別化医療が叫ばれ出して久しいのですが、ネオアンチゲンの仕掛けというのは、次世代で代表選手になっているかも知れません。

 

もうかなり前のことですが、とあるクリニックでネオアンチゲンを用いた保険外診療を実施しているお医者様からお話を聞く機会がありました。

 

それ以降、ネオアンチゲンというキーワードは私にとっては気になるものになっているのですが、そういう保険外医療を槍玉として、標準治療最良節がますます強くなっている状況ばかりが浮かび上がってきました。

 

私は標準治療は保険診療で受けることが出来る最良の治療であることには賛同していますし、医療現場におられる方々の声としては是非そうあって欲しいと願っているほどです。

 

ただ、次の世代の保険診療、つまり標準治療候補というのは絶えず存在し続けるわけで、それは患者さんにとって希望になり得るものです。

その希望を放棄させるほどの”節”は迷惑行為に近いと思います。

 

この今は、まだ小規模治験で良い結果が得られた療法も、これから大規模治験を経る必要があるわけですが、TNBCでお悩みの方には希望です。

しんどい標準治療をして、明確に表される統計通りの余命幾何・・・なのでしたら、患者さんががんばる理由は何になるでしょうか。

 

私は、医療現場の方々というのは医療従事者さんであって、多くは研究者さんではないのはわかるのですが、標準治療候補くらいはビジョンにおさめておいてもらいたいと願うのです。