#肺腺がん
【インタビュー】44歳で肺腺がんステージ4から6年 水戸部ゆうこさん/タウン通信
●治療開始から2年はトンネルの中を彷徨うよう、オンライン患者会が転機に
●当事者として声を上げ「助けて」と言える社会に、ぴあサポーター認定取りサロン開催中 他

こちらのブログを開始して4年か5年経つのですが、いくつか、忘れられない内容があります。

それは、「もうだめだ」と言われていたのに、長く生きておられるサバイバーさんの特徴、です。

 

何度もこれは紹介させていただいていることなのですが、その中で高順位にあるのが「自分ががんであることを忘れている」なのです。

 

私、自分がもしがんになったら、ずーっと考えると思うんですがんの事。

それで、恐れて怯えて、もう何も手に付かなくなる自分の姿が思い浮かびます。

もしかしたら、現時点でもそのような辛さをもっておられるサバイバーさんも結構いらっしゃるんじゃないかなと思います。

 

それで、私が一つ考え方として提案したいのは、水戸部さんが実践されたように、患者会へのご参加です。

 

がんサポートコミュニティさんという日本でも最大級のがん患者会のみなさまに、これまで色々な事を教えていただいているのですが、その中でも大事だと思うことは「共感こそが最大の慰め」です。

 

同じような病気や生活環境にいるからこそ、話すことも出来る聞くことも出来る。

話すことは、心にあるモヤモヤしたものを文章化しますから、それで余計な心配事は一応抜き取ることが出来るようです。

適度な心配は身を守りますが、過度な心配はむしろ不利益をもたらす可能性があります。

ですから、声に出して話をすること。これがまず大事だと思います。

 

それから次には、生きることへの積極性、とでも言いましょうか、水戸部さんがまさに実践されているところだと思うのですが、生きることを受け身ではなく、能動的に一歩一歩踏み出すことです。

 

私は、がんなどの病気に罹っていようが、健康そのものであろうが、生きる意味、生きる理由を見つけてそれよって生きることこそが、人にとって最も大事なことだと思っています。

 

私の場合は、あるきっかけがあって、これを思うようになりました。

金持ちになって、でかい家に住んで、高級な車に乗れたら嬉しいですし、それが生きることの素晴らしさだと思っていました。

しかし、あるきっかけがあって、人間って、そんなに画一的で単純なものに向かって生きているはずがないと思うようになりました。

むしろ、自分が考えるそういう素晴らしそうなものではなく、あらかじめ決められている何かやるべき事を見つけることに向かうようになりました。

言うなれば、使命ですね。

 

この使命に生きるというのは、もしかすると、命の時間的な期限が示されることで、よりそれを強く知っていこうとか、実践していこうとするのではないかな、と思うのです。

水戸部さんが、まさにピアサポートやサロンに命を注いでおられるところですが、これは本当の意味で生きているなんだなあ!と思います。

 

そして、そのことはが「がんであることを忘れる」にもつながっていく気もします。

なかなか、忘れることを目的として取り組んで達成できるものではありません。それは私自身が本当にそう感じます。

しかし、これで生きるんだという使命を見据えて毎日を生きることは、がんのことを忘れる時間を作り、結果的に、命を長らえることに役立つのではないかな、などと思うのです。

 

もちろん、それが長生きの条件などではなく、私の拙い想像の話のことです。

 

ただ、がんは大変な病気ですが、人として最も大切な事を気づかせてくれる機会にはなり得るものです。

その機会を生かすという意味でも、一歩踏み出されてはいかがかと、この水戸部さんのインタビュー記事を読んであらためて思いました。