#がん治療
がんが治らなくても、「死ぬ」とは限らない…「がんとの共存」という新しい生存戦略/現代
●体力があれば生命維持に関係ない臓器に転移しても死ぬわけではない
●治ったかどうか、よりも大切なこと 他
”自分ががんになったのではないか”
若い頃から、私は定期的にそういう不安に襲われてきました。
つい最近では、鼻詰まりが進行した上、鼻血が出てきたことがありました。
これが連日続いたのです。
いよいよか、という覚悟で病院に行ったのですが、検査の結果、がんではありませんでした。
がんになったのではないか、でさえそんな恐れの心を持つのですから、がん治療中の方が、どれほどの恐れや苦しみをご経験されているかと思うと、心が締め付けられます。
こちらの久坂部先生は、あまりまやかしを言われないお方のようですね。
大丈夫でもないのに「大丈夫」とか、気にすべきことなのに「気にするな」とか、そういう事は言いたくないようなお方に思えます。
この本からの抜粋記事でも、言い方は違うのですが、「人は死ぬ」と断言されています。
やがて人はこの世を去る時が来る。
それまでの時間を有意義に、後悔しないように生きることを重視されていますね。
それは、お医者様としてがん治療中の患者さんを客観視する中で触れられてきた「命の尊厳」に関する情感ではないかと思います。
命を大切にするということは、命の長さを意識して生活することばかりではないのですよ、という助言にも聞こえました。
がん罹患、治療中という強い恐れの中にあっては、もしかすると命を意識することさえ恐ろしく感じる方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、がんであれ健康であれ、今の時間をどう生きるかを決めていくことは出来るものです。
恐れが恐れを呼ぶ状態は、実は命そのものにとっても良い状況ではないはずです。
やれることの中でも、最もやりたいことを優先して生きることを選択していけたら、今よりも良い状況が訪れるのではないかと思います。