#がん共存療法
「ケトン食」に「クエン酸治療」「がん難民」の新たな選択肢「がん共存療法」の効果は? 自らもステージ4の緩和ケア医が実践/デイリー新潮
●Ⅳ期大腸がん肺転移から6年目、転移巣の多くは消失、残存巣もかなり縮小
●治験参加者14名中が7名継続中 他
個人的には、山崎医師の信念というか、ご自分の生命をどう活かそうかという使命感とか責任感のようなものが感じられます。
そういう人間としての山崎医師のお姿も含めて注目している試験です。
簡単に言うと、標準治療が終了した終末期にさしかかった大腸がんの患者さんが、認められている抗がん剤を体が持つまで続けるという標準治療をやめて、食事療法+少量抗がん剤で延命していきましょう、というもの。
抗がん剤を体に入れない分、生活の質が上がるけれども、肝心のがんはどこまでおとなしくしてくれるのだろうか、ということを確かめる試験です。
抗がん剤治療を継続するのと比較して、食事療法+少量抗がん剤でどれだけ延命するのかの試験でもあります。
もし生存期間に大差が無いのであれば、生活の質が高い方を選択するという妥当性も出てきます。
つまり、患者さんに選択肢を提供するための試験ということも言えるかと思います。
それで、この臨床試験が開始されて1年と少し経過したのですが、山崎医師ご本人の状況はかなり良好と言えるのでないでしょうか。
肺の転移巣はほとんどが消失し、残存もわずかとのこと。
7名の臨床試験参加者の方たちは、緩やかにがんは進行しているものの、体調は良好で普通の日常生活を続けておられるようです。
臨床試験の現状評価としては以下の通りです。
【抜粋】
「がん共存療法」はステージ4の大腸がん患者に対して、安全に施行できる可能性があり、かつ一定の割合で「無増悪生存期間」の延長を実現できる可能性がある。また、標準治療途中離脱者のQOLを改善できる可能性があるため、標準治療を離脱せざるを得なかった「がん難民」と言われる人々の選択肢になり得ると思われる。
だが、現時点ではデータの基となる対象者数が少なく、エビデンスレベルが高いとはいえない。がん治療医や緩和ケア医の皆様と連携していくためには、さらなるエビデンスの集積が必要だ。
今回の臨床試験の結果を基に、より確かなエビデンスを得るため、臨床試験参加対象者を、RECIST基準を満たす「大腸がん術後で肺転移のある患者のうち、副作用などで標準治療から離脱せざるを得なかった、もしくは標準治療終了間もない方で、現在の主治医と連携の取れる方」10余名に絞り、第2弾の臨床試験を準備している。参加条件は他にも多々あるので、詳しくは聖ヨハネ会桜町病院のホームページを参照いただきたい。
すぐにでも「がん共存療法」を受けてみたいと思われる患者さん・ご家族には申し訳ないが、少しでもエビデンスレベルを上げ、より多くの患者さんのお役に立つことを目指した臨床試験だ。あと1年はお待ち願えれば幸いである。
第2弾も日本財団からの財政支援が約束されている。今後の経過は、改めて報告させていただきたい。それまで読者の皆様お元気で!
どう死ぬか、ではなく、どう生きるか、の選択です。
その選択肢を用意するのに命を賭けておらえる山崎医師や、試験参加者のみなさまには敬意を抱かずにはいられません。