#がん治療
マウス体内の血液で触媒を作りがんに運んで化学治療 体内創薬化学研究所確立への第一歩に/理化学研究所
●患者の体内で抗がん剤を作り治療する_副作用少
●遷移金属触媒とcRGDペプチドを静注、血中アルブミンから人工金属酵素が生成、がんを選択的に攻撃 他
派手ではないのですが、ずっと注目されている治療法がこの生体内合成化学治療です。
患者の体の中にある何らかの成分を利用してがんをやっつける薬を”体内で”合成するというもの。
同じことを体外でも出来るのでしょうが、体外でやる必要を無くした合成方法、と言えるかと思います。
体内で合成してしまえるので手っ取り早い、とも言えるのですが、そこはそんな手間の省ける話というわけではなく、がん細胞に到達してそこで合成するので、言わば患者さんの体内に”がんが必要”ということが言った方が正しい表現かも知れないですね。
それで大事になってくるのは、そのがんに対して精度高く緻密に到達することです。
そうしないと作れないのですから。
別の言い方をするなら、到達出来れば効果を発揮する、がん細胞にのみ効果が発揮できる、ということが言え、これはもう理想的な薬剤ということになってきます。
金属触媒が患者さんの血中成分に反応して前段階の抗がん剤が作られ、ペプチドのガイドによってがん細胞まで運ばれ、がん細胞でもう一回金属触媒との化学反応で生まれた分子ががん細胞をやっつけるというフロー。
がん細胞以外は相手にしない薬が体内で作られるという、夢のようなフローです。
さて、問題は効き目なのですが、ちょっとまだどれくらいマウスで効いているのかわかりません。
思うに、これ、少量の薬剤の材料をマウスに注射するという試験ですが、副作用が少ないなら、断続的に静脈に注射し続けることで、断続的な効果が得られないものか、と思います。
何分、金属触媒ですから、やはり安全性が気になるところではあります。
ただ凄く期待しています。