#がん治療
近大、薬剤を高効率に取り込みがんの増殖をほぼ完全に抑制させる手法を開発/マイナビ
●小細胞肺・早期肺腺がん、骨肉腫などに発現する”CADM1”に結合する近大作成「抗CADM抗体A・B」による薬物送達
●マウスに皮下移植されたがん細胞の増殖を完全抑制

 

「抗体薬物複合体」はADCと呼ばれて、今、最も注目されてる薬物の一つです。

 

がん細胞の表面に付くタンパク質を目印として、ADCに搭載された抗体がそれにへばりつき、一緒に搭載されているがん細胞を殺傷する薬物をがん細胞内に強制的に送り込むというもので、有名どころとしては「エンハーツ」があります。

 

今回、近畿大学が発表したのは、同大学が独自に開発した抗体の件。

 

この抗体は、 中皮腫・成人型T細胞白血病・骨肉腫・小細胞肺がん・早期肺腺がん・子宮内膜腺がん・小腸消化管間質腫瘍などの表面によく発現する「CADM1」という膜タンパク質をめがけて結合するというもので、今回の研究では同じ抗体ながらAとBの2パターンの働きが起こり、その相乗作用によってがん細胞内部に薬物が高効率で送り込まれることがわかった、というものです。

 

高効率にがん細胞に送り込まれるということは、薬量が節約出来るということで、副作用の軽減が見込まれるなど、治療成果の改善も見込めます。

 

まだ研究の道のりは長いものと思われますが、小細胞肺がんなど、手立てに限りあるがんへの効果も期待できるもののようです。