#放射線治療
放射線治療が誘導するがん免疫応答メカニズムを解明 ―1細胞解析、時空間解析による食道がん患者組織解析の成果/東京大学
●放射線治療中・直後で免疫抑制遺伝子PD-L1、SIRPAなどが活性化→がん組織内に存在し増殖に寄与
※食道がんでの放射線+ICIへの道となるか

 

秋野暢子さんがそうされたように、食道がんで放射線治療を選択されるケースが増えているようです。

 

その食道がんの放射線治療に、更に有効な手立てが生まれてくるかも知れません。

 

放射線治療によって、免疫系がどのような変化を起こすのかを、最新の手法によって解析したところ、やはり色々と起こっていたわけです。

 

注目すべきは、免疫抑制遺伝子→免疫を抑えてしまう遺伝子で既によく知られるPD-L1などががん組織の中に入り込んで活性化し、がん増殖を助けていた可能性があると言うのです。

 

現在、既に肺がん治療で承認されている放射線+免疫チェックポイント阻害薬の療法ですが、これが適用出来る可能性が出てきました。

 

適用出来る、というと少し誤解されてしまいそうですが、食道がんの放射線治療の成果を高める手立てになるのかも知れん、という期待です。

 

しかも今回の研究では、どのタイミングで免疫抑制遺伝子が活性化しているかも明らかになっていますから、効率も見込めます。

 

確か、食道がんで外科手術と放射線治療とを比較すると、全生存率ではそこまで大きな差は無いものの、やや放射線の方が劣る結果となっていたと思います。

もしこの放射線治療によって変化する免疫系の知見から、新たな併用薬剤が見いだされたら、もしかすると手術を上回って来るかも知れませんね。

本当に期待の大きい研究です。