#がん治療研究
新たながん治療法の開発につながる「エピトープ領域架橋型バイパラトピック抗体」の創製/京都大学
免疫系からがん細胞を守りがん進行に深く関わる「TNFR2」を不活性化させる人工抗体(を創る技術)→高機能・低副作用
●抗体医薬創薬の基礎技術として期待

 

新たな抗体医薬開発手法としてのPR部分が大きいものです。

 

今回、京都大学さんらによってあみ出されたこの抗体作成の技術は、天然抗体では実現し得なかった機能性を持たせていることが特徴と言えます。

 

TNFR2タンパク質は(色々とプロセスを経て)がんを進展させてしまう物質として既に広く知られ、研究が進められています。

 

このTNFR2とつながって影響を及ぼす抗体というのは既にあるようなのですが、そのどれもが天然の抗体で、同物質の機能を阻害する働きがある一方で、活性化させてしまうような側面も持っているという、ざっと言えば水物で危なっかしいものなのです。

 

そこでこの「エピトープ領域・・・」なんとかと言う技術を駆使し、人工的に抗体を設計してみたところ、天然ものでは出来なかった機能阻害のみを働きとする抗体が出来たよ、というのがこちらの発表です。

 

そして主旨は、この素晴らしい技術は特許で守られていますから、さあ製薬会社さんどうですか早い者勝ちだよ、と言う事になろうかと思います。

明治維新が進んだのも、後に海援隊となる、亀山社中というビジネスアカウントが存在したからこそです。

創薬技術も金になってこそ、というのはやや乱暴な言い方ですが、そうしないと実用化・普及の達成は困難な現代でしょう。

 

さておき、、、

抗体医薬の特徴は、モノクローナルと言われるものに代表されるように、目標とした特定の抗体にのみ効かせることが出来るのが特徴で、これはつまり、副作用の少ない薬ということになります。

この創薬技術=人工抗体の設計モデルから創り出される抗体は、天然物では出来なかった機能のコントロールを実現するものです。

つまり、高機能かつ副作用が低い薬を創ることが出来る(かも)、という一種の爆発性を秘めているように思いますね。

 

TNFR2については、稀な物質ではなく、多くのがんに発現しているもののようですし、他の標的に対応した人工抗体もこの技術で研究されているようです。

 

多くのがんに効いて体にやさしい薬が登場しますように、強く願います。