#放射線治療
MT3、海藻から放射線増感剤 犬のがん治療に/日本経済新聞
●放射線の効果を高める作用、海藻のスギノリやウニから発見された物質をもとに開発_レブリチン→天然素材、副作用無
●静脈注射→がん細胞に滞留→照射で効果を高める
●今後はヒトへの適用も視野
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC064WJ0W3A700C2000000/
ヒト用ではなく犬用としての製造許可です。
天然物であるウニやスギノリから作られる物質「レブリチン」は、天然物がゆえに、体内に入っても基本的には代謝されて無害とのこと。
そして、がん細胞に滞留することで放射線の感度を上げ、より強力にがん細胞を殺傷させる能があるというものです。
放射線治療と一口に言っても、最近は高精度にがんを攻撃し、周辺組織への影響が少なくて済むような、精密放射線治療装置が次々に実装されてきています。
それとこのような増感剤の相乗によって、より治療効果が得られる日は近いのでは、と期待しています。
犬用の承認となりますが、これはヒトへの安全性確認という点では、前臨床的であり、前進を意味するものだと思います。
増感剤ということでは、やはり日本で開発されたコータックというものがあります。
あれはどうなったんでしょうね。
効果が示されていたはずですが。
実はこのコータックは、オキシドールとヒアルロンという、安価なものから製造出来るため、製造する側からすると、製品になったとしてもなかなか利益を出すことが出来ないというものです。
薬の製造は、営利企業である製薬会社が受け持つわけですから、当然、利益が見込めなければなりません。つまり、経済合理性がなければ、有望なものであっても先行投資の対象になりにくいということです。
ということでコータックは、国内での投資はあきらめて英国で試験が実施されたわけですが、恐らく本格的に投資が必要になるフェーズ3を前に、製品化まで設計が頓挫したのかな、と思っています。もったいないですね。
こちらのレブリチンは同じジャンルですから、コータックの轍は踏めないぞということで、犬から、だったのだと思います。
ここで蓄積されるデータを元に、国内外で開発を進めていくことになるのかな、などと邪推しています。
こちらも、大して原料費はかかりませんからね。
学術の世界とは離れた、医療、機器、製薬、行政・法を橋渡しするコミュニケーターが必要ですね。
世に出るものになるためには、経済的合理性が必要、ということを先述しましたが、圧倒的な効果がある場合には、圧倒的市場占有率が期待出来るのですから、合理性を持って進めることが出来ます。
さてレブリチンはどうでしょうか。