#がん治療
お金があれば、標準治療よりもよい最先端治療を受けられますか?/ヨミドクター
●「『一番いい治療』として私がお勧めするのは保険適用となっている『標準治療』です」
●治験_未来の標準治療を先取り出来る可能性
●理解されていない「標準治療が最高の治療」
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20231017-OYTET50016/
標準治療こそ最高の治療。
これが日本医療の合言葉のようになってきていますね。
高野先生が仰せのような理屈、つまり、エビデンスが取れているという点で全く異論はありません。
ただ、私はそこに「現状の」という言葉が付けたいと思いますね。
と言いますのは、標準治療とは、何年も同じ方法で実施されるものもあれば、来年になれば変わるものもあるからです。
個別化医療ということが言われて久しいですが、人それぞれ体も遺伝子も違うわけで、それに合わせたオーダーメイド医療を展開していこうよ、というものです。
これは、極めればキリがないものである可能性がありますが、例えば乳がんではサブタイプの分類が一般化しており、それによって治療法が違うのですが、方向性としては、個別化医療と同じようなところがありますね。
更に最近は、個人の遺伝子を読み解く技術が一般化し、それに合わせた薬剤などを探し出す、遺伝子パネルなんかも、個別化医療の先端にいると思われます。
標準治療も今後、個別化は一つの重要な方向性となっていくことは確実かと思われます。
とすると、高野先生はこういう風に仰いますが、例えば治療早期における遺伝子パネル(先進医療)なんかは、がんが悪化する前に治療選択肢を広げる手段になる可能性があるわけで、先進医療にも期待出来るものはあるよ、ということは言えるのかな、と思います。
ただそれとて、どれだけの患者さんに当てはまるんだよ、ということも、まだはっきりとわかっていないことではあります。要は、当てもん要素がまだあるということです。
だからこそ、標準治療は最高の治療(〇〇年〇月現在)、というのは、妥当でフェアな評価であると思います。
ちなみに自由診療についてどう考えるか、ですが、最終的には患者さん個人の思うようにどうぞ、としか言えません。
ドラッグラグの問題がありますが、あれは、日本人には効かないというよりも、患者さん数が少なかったり製薬会社の利益に見合わなかったりで、日本人では治験が出来ないから国内未承認になっている薬があります。
これを自由診療で実施することは、フィットする可能性は先進医療よりかなり落ちて、当てもんそのものになってきますが、価値が無いわけでもないと思います。
お金儲けをするための仕事を、物を仕入れてそれよりも高く売ることで利益が生まれます。これは割と確実なやり方です。
しかし、お金儲けをするためにギャンブルをするとします。確かに、大金を稼げる可能性はありますが、大損する可能性もあります。
借金してやることは、更にギャンブル要素が高まります。
標準治療は、お金儲けにおける仕事、それ以外はギャンブル。
ちょっと言い過ぎですが、そう考えても良いのではないでしょうか。