#がん治療研究 #臨床試験
過去の試験データをプラセボ投与と代替する新薬開発の仕組みを発表 大腸がん臨床試験の世界的DB「ARCAD」を利用 国立がん研究センター/オンコロ
●仮想プラセボ群を臨床試験に適用する方法
●プラセボ群を省略し、臨床試験参加者全員に新薬投与
https://oncolo.jp/news/231012ra01
通常、新薬(新療法)の承認のための根拠となる臨床試験は、ランダム化比較試験の結果となることが多いものです。
ランダム化比較試験は、新薬が確かに効き目がある、ということを証明するための試験ですから、参加者は「新薬を使用するチーム」「新薬と言われているだけで実はそうではない薬(既存薬や)を使用するチーム→プラセボ群」にランダムに振り分けられ、それらを比較することで、新薬の”効き目”を測ることになります。
ランダムに比較、です。
新薬の臨床試験、治験に参加される患者さんの中には、既存の療法では効果が出なかったため新しい薬にわずかな希望を持って参加、という方も大勢おられます。
それなのに、プラセボ群に入れられたらどうでしょうか。
もし私なら、とても悲しいですね。
もちろん、自分がプラセボ群であるかどうかなんて、少なくとも試験期間中はわかりません。
「きっと新薬だ」と思い込んで投与してもらい続けるしかないわけです。
精神衛生上も良くはありません。
こちらの国立がん研究センターによって開発中のシステムは、プラセボ群の試験結果を、これまでに既に実施されて蓄積された臨床試験のデータを使用し、それと新薬や新療法群と比較することで、”効き目”を証明する方法です。
この方法が使えるようになれば、わずかな希望を臨床試験に託して・・・という方の思いは少なくとも成就することになります。
また、記事に言及されるように、承認の迅速化、省コストにもつながるわけですから、製薬会社にも少なからず利益があります。
まずは既にデータベース化されている大腸がんからの取り組みになります。
大いに期待したいシステムです。