#がん治療 #治験
がん領域国内初のリモート治験はいかに実施されたか1年半を振り返る/オンコロ
●愛知がんセンターが昨年から実施のリモート治験例
●進行固形がん患者4名参加_埼玉、神奈川、富山、京都
●自宅で薬を受取・内服→所定の日にかかりつけ医で診察・検査 他
https://oncolo.jp/feature/230816hy01
がん領域での承認薬数が欧米に比べて落ち込むわが国で、このリモート治験の取り組みは大変意義深いものであると思います。
これまでのやり方よりも、多くの治験参加者を確保出来る可能性があるからです。
また、患者さんにとっては、「治験を受けたくても、主宰している病院や機関が遠すぎるので受けられない」という問題の解決につながりますから、有益と言えます。
今回、日本の代表的”キャンサーメディア”であるオンコロさんがレポートされているのは、愛知県がんセンターさんが昨年2月から開始された、がんゲノム医療領域でのリモート治験です。
上述のように、治験を実施する側、治験に参加する側両方にリモート治験はメリットをもたらす可能性を秘めているわけですが、更に、これががんゲノム医療領域、とりわけ遺伝子パネル検査後の治験として実施されていることもまた大事なポイントと言えます。
というのは、記事にてご指摘の通り、がんゲノム医療の領域では、まだまだ患者さんの数が少なく、しかも治験実施施設が全国に散らばって10施設ほどです。
これにより、以下のような問題が生じています。
・治験主宰者が参加者を確保出来ない
・参加したくても治験実施病院が遠すぎて参加出来ない・・・・そもそも遺伝子パネルを受ける患者さんは、進行がん患者さんである場合がほとんどであり、体力的にも「そんな遠くまで行けないよ」という方も多いはずです。
これらの問題により、日本のがんゲノム医療は、とっかかりからとん挫の危機にある(かも知れない)わけです。
リモート治験は、これらの問題を直接的に解決出来る、と言えるほどスキームです。
オンコロさんがこのリモート治験をわざわざ特設的な枠で扱い、シリーズで詳細に説明しようとされる意図も、私なりにではありますが、なんとなく感じます。
確かに、医療関係者だけでも患者さんだけでもなく、その両側にメリットを周知しておくべきことですね。
これを言い換えるなら、日本のがんゲノム医療や薬剤・療法研究が前進し、その結果として、日本のがん医療がこれから更に多くの患者さんの命を守っていくためなんですよ、ということになるかも知れません。