#がん治療研究
抗エストロゲン薬は「ER陰性」腫瘍も抑制、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の治療効果増大/医療NEWS
●ER陽性で抗エストロゲン薬は腫瘍退縮期待
●マウス試験、ER”陰性”がん細胞マウスに抗エストロゲン薬とICI併用療法を実施→劇的な抗腫瘍効果を誘導
https://www.qlifepro.com/news/20230807/estrogen-cancer.html
北海道大学の研究成果です。
乳がんの発生に大きく関わりがある女性ホルモンのエストロゲンを抑えることで、乳がんの進行を抑制する効果がある抗エストロゲン薬。タモキシフェンやフルベストラントなどが有名なところです。
ER陽性、というのは、エストロゲン・レセプション(受容体)がありますよ、という種類のがんであり、乳がんのサブタイプとして有名です。
そして、そのエストロゲンの働きを弱めるという抗エストロゲン薬を使うことで、効果が大いに期待出来る種類になります。
一方、トリプルネガティブ乳がんなどはER陰性タイプに属しますが、同タイプの特徴である進行抑制が難しいという特性を持ちます。
そして、この難しいがんについても、抗エストロゲン薬の効用が発見されたということで、大変に画期的な研究であると言えます。
どのような構造で効果を発揮するかについては、記事に説明されています。
そして、ここでもまた、免疫チェックポイント阻害薬が、”劇的”に効く可能性が示唆されていることは注目点です。
難しいがんが難しくなくなる可能性のお話、ということになりますね。
また、他の抗がん剤との併用でも効果増大が期待出来るとのことで、ヒト臨床試験の開始が待ち遠しいです。